手掌多汗症 Q&A
よく汗をかくのですが、多汗症でしょうか?
代謝がよい人は体温があがりやすいため、汗をかきやすくなります。汗かきと多汗症の大きな違いは汗が出る箇所です。汗かきの方は全身から汗が出ますが、多汗症の方は手や足の裏、わきの下など局所的に汗が出るケースがほとんどです。
手術以外に治療法はありますか?
塩化アルミニウムを成分とした塗り薬や特別な器械を使った電気治療があります。またボツリヌス毒素を注入するボトックス注射もあります。こちらは美容外科でもよく行われている治療です。
塩化アルミニウムが欲しいのですが、処方箋が必要ですか?
医師の処方箋がなくても薬局でお求めいただけます。
多汗症の手術に保険は適用されますか?
手術は健康保険の適応になります。ただし、ボトックス注射はわきの場合のみ保険適応となり、手の場合は適応外となります。
手術はいくらくらいかかりますか?
保険適応の3割負担で相場が8~10万円ほどです。また高額療養費制度も適応される場合もあります。詳しくは知りたい方は医院にお問い合わせください。
子供が手掌多汗症なのですが、子供でも手術はできますか?
手術は可能です。しかし、よほどの理由がない限り、大人の体になってから行ってください。
手術は痛いですか?
手術の際は全身麻酔を行いますので、術中の痛みはありません。しかし、術後に傷が痛むことはありますが、こちらもすぐ治まります。
手術はどのようなものですか?
腋の下に2~3mmほどの小さな傷をつくり、そこから内視鏡を挿入し交感神経を切断します。手術時間はおおよそ15~30分ほどで完了し、日帰り手術も可能です。
手術をうけたことで何かデメリットはありますか?
手術を行うことで、多汗症の症状である汗は抑えられますが、代償性発汗が起こります。これは背中や太ももなど、体の他の部分の発汗が増加することを言います。
代償性発汗とは何ですか?
手術によって起こす副作用の一つです。今まで症状が出ていた手のひらや足の裏の汗を抑えることで、背中や胸、太ももなど体の他の部位の汗の量が増加する現象のことです。症状には個人差がありますが、こちらは常に汗が出る多汗症とは異なり、気温や体温の上昇によりもたらされるので、健康上は問題ありません。
代償性発汗の他に手術の合併症はありますか?
代償性発汗の他にホルネル症候群が考えられます。交感神経が損傷することで起こる症状で、まぶたが垂れ下がります。手術による効果は確かなものですが、デメリットになる要素もあるので、インフォームドコンセントをしっかり行ったうえで、治療方針を決めましょう。
手のひらの手術で足の汗も抑えることはできますか?
手のひらと足の裏では関係する交感神経が異なります。手のひらは胸部の交感神経、足の裏は腰部の交感神経に関係しています。稀に足の汗もかかなくなる方はいます。しかし、基本的には手のひらと足の裏の手術は別に行います。
再発はしますか?
切断した交感神経が再生することで、再発する可能性はあります。