胆石症について

胆石症とは

胆石症

胆石とは、肝臓や胆のう、胆管にできた結石のことを言います。
結石は肝内結石、胆のう結石、胆管結石とできた場所によって名称も異なります。これら結石ができる病気のことを総称して胆石症と呼びます。

胆石症のうち、最も症状が多いのが胆のう結石です。約8割を占めています。

もともと欧米ではポピュラーな病気でもあり、近年日本でも増加傾向にあります。現在では日本人の10人に1人は胆石を持っていると言われております。

しかしながら、必ずしも手術が必要というわけではありません。

胆石症の症状について

胆石症の原因について

胆石にも種類があり、その成分により分類されます。

  1. コレステロールを主成分とするコレステロール結石
  2. 色素系のビルリビンカルシウム結石
  3. 色素系の黒色石

と大きく分かれます。特に胆石のうちの7割以上はコレステロール結石と言われています。

種類原因
コレステロール結石 その名の通りコレステロールを主成分としています。コレステロールは水に溶けませんが、胆汁の中の胆汁酸により分解され、溶けきれなかった過剰なコレステロールが結晶化し、胆石となります。高齢化、肥満、脂肪分の過剰摂取、不規則な生活やストレスによる内臓機能の低下により、胆石ができやすくなります。
ビリルビンカルシウム結石 ビリルビンとは胆汁の中にある黄色系の色素成分です。このビリルビンが酵素の働きにより、性質が変化し、カルシウムと結合し結石を形成した物がビリルビンカルシウム結石です。主に栄養不足が原因です。一昔前は寄生虫に起因するケースもありましたが、近年ではほぼ稀です。
黒色石 その名の通り黒っぽい色をした結石です。ビリルビンがカルシウムだけでなく、鉄分や銀などの金属質を含んで結晶化されたものです。こちらはコレステロール結石とは逆に、若い人や痩せ型の人に多く見られ、貧血や肝硬変、消化器系の手術も要因として考えられています。

胆石症の症状

無症状性胆石

本人に自覚症状はありませんが、胆石ができている状態です。胆石を持っていた場合でも必ずしも何か症状がでるとは限りません。人間ドックなどの検査で発見されて気づくという方も多いです。

初期症状

背中に違和感があったり、脂っこいものを食べた後にお腹の右上部に不快感が生じします。軽度の痛みもありますが、しばらくするとらくすると楽になります。心配でしたら検査を受けることをお勧めします。

疝痛(せんつう)発作

結石が胆管等に詰まってしまい起こる激しい痛みのことです。転げまわるほどの痛みとも言われています。疝痛で運ばれて初めて胆石症と発覚することも少なくありません。合併症として胆のう炎を起こしているケースも多いです。

黄疸(おうだん)

ビリルビンが増加し、胆汁逆流により、白目部分や皮膚が黄色くなることを黄疸といます。日本人は黄色人種の為、眼球の色で判断をすることが多いです。また採血での測定も可能です。

発熱

痛み以外に多く見られる症状です。胆のう内の胆汁が細菌感染を起こしてしまったことが原因です。悪化すると急性胆のう炎を引き起こす可能性もあります。発熱だけで、風邪と診断され、熱が下がっても胆石が悪化する場合もあるので、注意が必要です。

胆のう炎

胆石や細菌が原因で胆のうが炎症起こしている状態です。お腹の上部や右肩に激痛が起こります。急性の場合は吐き気、嘔吐、発熱を伴うことも多いです。また悪化すると、胆のうが破裂し、腹膜炎を起こす可能性もあります。

胆石症の治療法

手法 内容 日帰り
溶解療法 飲み薬により、胆石を溶かしていく治療法です。なので、手術や入院の心配はありませんが、治療期間が長く、条件もかなり限られています。成果も20~30%ほどです。投薬するか手術をするか一度ドクターにご相談することをお勧めします。 可能
対外衝撃波胆石粉砕術
(ESWL)
外から衝撃を与え胆石を砕くという治療法です。衝撃波と言っても強く叩くといくことではなく、音波の1種なので、こちらも開腹をせずに治療が可能で、人体への影響もほとんどありません。しかし、こちらも適応条件が限られており、また対応機関も少ないことがデメリットです。 可能
開腹手術 その名の通り、お腹を切る手術です。現在では、外科処置の9割以上が腹腔鏡下胆のう摘出術とされていますが、例えば急性胆のう円炎を発症していたり、腹腔鏡下胆のう摘出術が適当ではないと判断された場合は開腹手術を行います。手術時間は短いですが、傷が大きく残ってしまったり、回復まで時間が必要になってきます。 不可
腹腔鏡下
胆のう摘出術
内視鏡を用いた手術になります。現在外科的治療のほとんどがこちらになります。お腹に1cmほどの小さな穴をあけ、そこから内視鏡を挿入し、胆のうを切除します。回復も早く、傷痕も小さく済みますが、手術が難しく時間もかかります。 可能

治療・手術の流れ

1外来1回目

主に問診、検査を行います。

2外来2回目

手術を行う場合、麻酔診やエコー検査を行い、治療方針とスケジュールを決めます。

3手術当日

当日は食事を取らずに来院してください。場合によっては前日に入院していただくこともあります。

4手術

手術内容により時間が異なります。最短で15分、開腹手術の場合は2~3時間かかることもあります。

5手術後

手術が無事完了したら、おおよそ2~3時間ほど入院していただきます。痛みが強い場合は医師の判断により、1泊入院していただく場合もあります。

6退院

経過を見て問題がないようでしたら退院し、ご帰宅いただけます。帰宅前にきちんと服薬指導も聞いておきましょう。

※こちらはあくまで大まかな流れになります。クリニックにより多少異なることもあるので、詳しい内容が知りたい方は、ホームページを確認したり、お問い合わせすることをお勧めします。

治療費について

胆石症の手術は健康保険適応の対象になります。
こちらはあくまでも目安になりますので、詳しい料金を知りたい場合は、医院に確認しましょう。

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 入院する場合(3割負担)
対外衝撃波胆石粉砕術 約5~6万円前後 約7~8万円
開腹手術 約14~15万円 約16~17万円
腹腔鏡下胆のう摘出術 約12~14万円 約14~16万円

高額療養費制度について

手掌多汗症の手術は高額医療に該当します。
医院から発行される領収書を保管し、書類をご用意のうえ、お手続きを行ってください。

任意保険の手術給付金について

現在、任意の生命保険や入院保険に加入されている場合、給付金が受け取れることもあります。保険会社により詳細は異なりますので、一度ご確認・ご相談したうえで、必要書類を持参してください。