胃・大腸ポリープ Q&A

このページの監修:赤坂内視鏡クリニック  院長 中村 尚志 先生

胃カメラが苦手、初めてなのですが、大丈夫でしょうか?

現在ほとんどの医院では内視鏡を使った検査を行っております。希望によって鎮静剤・麻酔薬も使ってくれるので、従来の胃カメラよりも苦しくなくお受けいただけます。

胃内視鏡の検査とはどのようなものですか?

メーカーによりますが、先端に超小型カメラがついた5mm~1cmほどの管を口、または鼻から挿入します。モニターで食道、胃、十二指腸が見ることができます。麻酔をするので、痛みはほとんどありませんが、人によっては「おえっ」となってしまう方もいます。

大腸内視鏡検査はどのようなものですか?痛いですか?

肛門から内視鏡を挿入し、全大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸)を観察します。痛みに関しては個人差がありますが、胃の検査に比べて苦痛に感じる患者様が多いようですが、鎮静剤や麻酔薬を用いて検査を行い、慣れた先生が上手に行えば決して苦しくない検査です。

検査はどれくらいの時間がかかりますか?検査前後の食事制限はありますか?

内視鏡を挿入している時間は、胃の検査で5分程度、大腸の検査で15~30分程度かかります。
また、胃の検査をする場合、当日の朝食は(もしくは前日の夜から)抜いてもらいます。大腸検査の場合は、腸の中を空っぽにするための前処置を行うので各クリニック・病院にお問い合わせ下さい。
一般的には、前日は検査食や消化のよいものを摂取し、水分は多くとるようにしましょう。

健診で胃ポリープが発見されました。手術は必要ですか?

胃ポリープを指摘された場合、ほとんどが良性のものなので、癌化の心配はほぼありません。定期的に検査を受け、経過観察の処置がとられることが多いです。
しかしながら、必ずしも癌化しないとは限らないので、専門医にご相談し、検査することをお勧めします。

ピロリ菌がいると診断されました。ピロリ菌とは何ですか?

日本人の約半数はピロリ菌に感染しているといわれています。ピロリ菌が胃に感染すると、慢性胃炎・萎縮性胃炎が進み、胃癌を発生する危険性があります。
また、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃MALT型リンパ腫などの病気になることがあります。胃カメラと同時にピロリ菌検査が可能です。 現在、内視鏡検査で慢性胃炎・萎縮性胃炎と診断され、ピロリ菌が発見されたら保険適応で除菌治療が行えます。

ポリープの切除は痛くないですか?

胃や大腸の粘膜には知覚神経がないので、ほとんど痛みを感じることはありません。 ただし電流を流して切除するので、一瞬違和感を感じる場合はありますが、人体に影響はありませんので、ご安心ください。

手術時間はどれくらいかかりますか?

だいたい15分から30分前後です。大腸ポリープの数が多い場合、もう少し時間がかかることもあります。

日帰り手術の術後気を付けることは何ですか?

日帰り手術では、一般的に大腸ポリープ切除の場合が多く、術後1週間は安静(デスクワーク程度)、アルコールや刺激物(辛い物)の摂取、激しい運動や重労働、旅行は控えてください。細かい内容は担当医に確認しましょう。
なお、胃ポリープは、その多くは良性で癌になることが非常に稀なため、一般的には内視鏡手術は行わず経過観察されることが多いです。

大腸ポリープがありますが、これは癌になりますか?

全てのポリープが癌になるとは言えませんが、腫瘍性の腺腫というポリープはがん化しますので、内視鏡手術を行います。
基本的には胃ポリープと同様で、悪性化する恐れがなければ経過観察の処置をとりますが、まずは専門医に相談してみましょう。

日帰り手術ができないのはどのような場合ですか?

① ポリープが2cm以上と大きすぎる場合、
② 大きさに関係なく、切除困難な部位(屈曲が強い部位に存在する場合・腸に憩室が多く病変全体像が分からない場合・内視鏡が病変部位まで届かない場合・他の重症な基礎疾患がある場合)などが挙げられます。
専門医の診断のもと、適切な指示を受けるようにしましょう。

大腸ポリープ切除時の合併症は何がありますか?

主に出血と穿孔(せんこう:腸管に穴があくこと)が考えられます。
大腸ESD/EMRガイドラインまとめ(日本消化器内視鏡学会誌2014.4より)からのデータでは、各内視鏡治療別にみた穿孔率と出血率は、ポリペクトミー/内視鏡的粘膜切除術(EMR)/内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で、穿孔率0.05/0.58-0.8/2-14%、出血率1.6/1.1-1.7/0.7-2.2%、と報告されています。

合併症の可能性

ポリペクトミー EMR ESD
穿孔率 0.05% 0.58~0.8% 2~14%
出血率 1.6% 1.1~1.7% 0.7~2.2%

合併症がおこった場合は入院が必要になります。