むらた日帰り外科手術・WOCクリニック

総合5.0 【1件の口コミ】

対応疾患 下肢静脈瘤、鼠径(そけい)ヘルニア、痔(いぼ痔、切れ痔、痔瘻)
電話番号 022-395-8614
診療時間 月・水・木・金
8:30~12:30/14:00~18:00
土・日
8:30~12:30
※土日受診希望者はご相談ください
※火曜日は往診日です
休診日: 祝日
住所 〒982-0007 宮城県 仙台市太白区 あすと長町1丁目2-1 仙台長町メディカルプラザ2F (地図
特徴
  • 遠方対応可能

痔の治療・日帰り手術について

◆痔とは

痔は、肛門疾患の総称で、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(あな痔)の3つが主な疾患となります。その中でも約半分をしめるのが、いぼ痔です。痔になると恥ずかしくて治療を受けることに抵抗がある方が多いようですが、日本人の約3分の1が痔を持っているといわれており、たくさんの方が病気を患っておられます。痔は早期に治療すれば、手術を行わずに保存的療法(薬・生活習慣の改善等)で改善できるケースが多いです。痛みを我慢せずに、早めに専門医に診てもらうようにしましょう。

いぼ痔(痔核)

いぼ痔とは、肛門の血液の流れが悪くなり、血管の一部が膨れてこぶ上になってしまう症状です。形状がいぼに似ているためにいぼ痔といわれております。いぼ痔には2種類あり、直腸内にできた内痔核と肛門の外側にできた外痔核に分けられます。いぼ痔の原因は、排便の際に強くいきんだり、長時間同じ姿勢(座ったままなど)でいるとなりやすいです。また、女性の方は、妊娠・出産が原因で発症することもあります。症状としては、痛み、出血、脱出があります。

切れ痔(裂肛)

切れ痔とは、便秘による固い便の排出や下痢で勢いよく排出する便によって、肛門が裂けたり・切れたりする症状です。慢性的な便秘や下痢が原因となるので、男性よりも女性の方に多くみられます。症状としては、肛門からの出血、排便時の強い痛みがあります。

 

痔瘻(あな痔)

痔瘻とは、下痢便による細菌の感染が原因で、肛門の周囲にばい菌が入り、炎症を起こします。その結果、肛門の周囲に膿のたまった袋ができます(肛門周囲膿瘍)。それが悪化すると、膿のたまったトンネルが肛門にできます。これを痔ろうといいます。症状としては、肛門周辺の痛みと発熱があります。痔瘻は、他の痔とは違い治療は手術を行う必要があります。

 

◆痔の治療方法について
いぼ痔の治療方法

○ジオン注射(ALTA療法)・・・4段階注射療法
脱出をともなった内痔核(いぼ痔)にジオン(成分:硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸)という注射財を注入して、痔を硬化させ粘膜に癒着・固定させる方法です。切らずに注射で治療を行えるので、手術後の痛みや出血もなく、日帰り手術が可能です。痔による出血も止まり、痔核の脱出も数日でなくなります。内痔核の治療では、ジオン注射(ALTA療法)が主流となってきており、保険適用になってから約20万人の方が治療を受けております。

  

○保存療法
・生活療法
痔の治療は、便秘や下痢の解消を行うために食生活を注意したり、入浴や坐浴で肛門周囲を清潔にすることで、肛門にかかる負担を軽減することが基本です。これにより痔の進行を緩和させるために効果的です。

・薬物療法
一般的に内痔核の8割は、軟膏や坐薬、内服薬を使った治療で症状が改善します。痔の症状を的確に診察し、症状にあわせた薬の見極めが必要となります。

・輪ゴム結紮療法
肛門から脱出する痔核や粘膜部分を輪ゴムで縛って、痔核に阻血性の壊死を起こし脱落させる方法です。外来時に麻酔を使うことなく行えるのが特徴です。併存する疾患があったり、手術不能な症状の場合に痔核の脱出を軽減させる目的で行う治療です。ただ、この方法では、痔核の余剰粘膜の処置がある程度できますが、痔核の本体である静脈瘤を十分に結紮することができないため、痔の根治性はやや劣ってしまいます。

○手術療法・・・日帰り手術が可能です。
・痔核切除術
痔核を縛り、切除します。内痔核・外痔核の療法に適応できます。痔の進行度合いに関係なく行える治療方法です。根治性に優れておりますが、他の治療方法と比較すると痛みが強いです。手術後は、痛み止めを服用していただきます。
 

 

切れ痔の治療法

切れ痔は、基本は坐薬や軟膏を塗っておくことで治療できます。肛門の皮膚は高い再生力があるので、おおよそ1週間で治ります。ただ、切れ痔を慢性的に繰り返すと肛門が狭窄(すぼまってしまう)すると、手術が必要となります。

○手術療法・・・日帰り手術が可能です。
・用手拡張(stretching)
肛門を指で拡張して肛門管を過伸展させて肛門のspasm(筋肉の収縮)を取り除き、切れ痔(裂肛)を治癒する方法です。

・LSIS(Lateral subcutaneous internal sphincterotomy側方内括約筋切開術)
これは、狭くなった肛門を広げて排便を行いやすくする手術です。局所麻酔を行い、メスを使って肛門の内括約筋を切開します。

・SSG(Sliding skin graft皮膚弁移植術)
重度の切れ痔は肛門が狭くなってしまうだけではなく、傷跡が硬化(瘢痕硬化:はんこんこうか)してしまいます。この手術は、硬化した肛門括約筋を切開し、肛門管を適度に広げて
正常な皮膚弁をスライドさせて肛門を広げる方法です。
 

 

痔瘻の治療方法

前述しましたが、痔瘻は他の痔と違い、治療は手術を行うしかありません。
○手術療法・・・日帰り手術が可能です。
・シートン法
痔瘻(膿のたまったトンネル)から膿を出して、シートン(ゴム製で紐状)を挿入し、トンネル(痔管)を結紮する方法です。痛みもなく治療を行えますが、完治するのに時間がかかります。

・括約筋温存術
肛門の周囲の筋肉(肛門括約筋)を切らずに、膿のたまったトンネル(痔管)をくり抜く方法です。肛門括約筋を切らない方法なので、手術後も肛門の機能をそのまま維持させることができます。肛門括約筋を切ってしまうと、手術後から肛門がゆるくなってしまいます。

 

◆痛みについて

手術時は、吸入麻酔、局所麻酔を使って行いますので、ほとんど痛みは感じません。
痔の手術は、30分未満で終わる手術がほとんどですので、全身麻酔の必要はありません。
手術後は、痛み止めを処方しますので、1週間ほど服用ください。

◆通院について

手術後、翌日に来院いただいております。その後は、1週間後、1ヶ月後から適宜となります。遠方の方で翌日来院が難しい場合は、1週間後に来院いただいております。

◆痔の治療費について

痔の治療は全て健康保険の適応になります。

治療法 保険適用 治療費(3割負担)
ジオン注射 約1.5~2万円
いぼ痔の手術 約2~3万円
切れ痔の手術 約2~3万円
痔瘻の手術 約3~4万円