2017.02.01

黄色い鼻水がとまらない!?医師が教える原因と治療法について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
たてもと耳鼻咽喉科クリニック
立本 圭吾 医師

京都府京都市東山区三条大橋東入ル大橋町94 三条鈴木ビル5F

075-752-3387

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黄色い鼻水

鼻水の色は、体調不良を示す重要なサインです。
特に黄色い鼻水が出る場合、その裏に重大な疾患が隠れている可能性があります。
今回は、専門医の監修のもと、黄色の鼻水が続くときの原因と考えられる病気とその治療法について、ご説明していきましょう。


なぜ鼻水が黄色くなるのか

なんで?

鼻水には、鼻やのどの中の空気が乾燥している時に加湿させたり、侵入してくる異物やウィルスなどを体の外に排出する働きがあります。
カゼを引いた時にふだんより大量に鼻水が出るのは、鼻の中で悪さをしているウィルスを外に排出しようとする作用が促進されるからです。ですから、鼻水はすするのではなく、必ずかんで外に出すようにするとカゼの治りを早めます。

カゼのひき初めには透明のサラサラした鼻水が出ていたのに、治っていくにつれ黄色く粘り気のある鼻水に変わってきたという経験はありませんか。
黄色い鼻水は、あなたの身体がカゼのウィルスと戦っている証拠です。

風邪のウイルスや細菌が鼻に侵入すると、体内を守る働きを担っている白血球やリンパ球が迎撃します。
実は、鼻水が黄色くなるのは、細菌類と戦った白血球やリンパ球と死滅した細菌類の死骸が鼻水に混じるからなのです。


ちなみに、黄色の他にもさまざまな原因によって鼻水に色がつくことがあります。
炎症や鼻血などによる出血が原因で「褐色」になったり、たんぱく質が不足すると「青色」、いわゆる青洟(あおばな)が出ることもあります。普段と違う色や量の鼻水が継続して出る場合には、何らかの病気にかかっている可能性がありますので、速やかに耳鼻咽喉科に相談しましょう。

黄色い鼻水の原因

では黄色い鼻水が出る場合にどのような病気の可能性があるのか、主な病気について紹介していきますが、いずれも、副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる場所が炎症をおこしている状態です。
まずは、共通する症状「副鼻腔炎」についてご説明していきましょう。

副鼻腔炎とは

副鼻腔

副鼻腔炎とはその名の通り、副鼻腔の炎症のことです。
人の鼻の中は、鼻内の空気の通り道である鼻腔(びくう)とその周囲にある副鼻腔と呼ばれる空洞からなっています。
副鼻腔炎は細菌やウィルスの観戦によって鼻腔の粘膜に起こった炎症が副鼻腔にまで及ぶことによって起こります。
鼻水の他に、鼻づまりや頭痛、歯痛、発熱や咳、喘息などの症状が現われます。



黄色い鼻水が止まらなければ疑うべき病気

①急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

ウィルスや細菌への感染による急性の鼻炎です。
原因は、主に肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌などの細菌です。先に述べた「カゼのウィルスと体内の白血球やリンパ球が鼻の中で戦っている状態」などはまさにこの急性副鼻腔炎です。
身体の持つ免疫力が勝ってカゼを撃退できれば病状は短期間で改善されますが、頭痛や発熱を伴っている場合、医療機関で診療を受けることが必要となります。また粘り気が強い場合は急性副鼻腔炎が悪化していることもありますので、速やかに医師の診断を受けましょう。

細菌への感染以外にも、潜水したり飛行機に乗ったりして副鼻腔の気圧が急激に変化した場合や、外傷が原因で発症することもあります。また、疲労や病気で体の抵抗力が低下している時には発症しやすくなります。慢性化する可能性もありますので、単なるカゼだと放置せずに早めに医師に相談しましょう。

②慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)

急性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が悪化し、ウィルスや細菌の感染が広がることによって慢性化した副鼻腔炎で、一般的には、蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれます。
副鼻腔に膿が蓄積され、炎症を起こし、常に鼻がつまった状態になり息苦しさ、さらには頭重感や倦怠感、嗅覚障害などが起こってきます。

痛みはあまり伴わないこともあり、カゼの症状やアレルギー性鼻炎などと甘く見て放置されやすいのですが、慢性化するとなかなか完治しにくくなりますので、こうした症状が長く続くときは、耳鼻咽喉科で検査を受け、原因を特定し、適切な治療を受けてください。

③アレルギー性鼻腔炎と副鼻腔炎の併発

花粉やハウスダストなどを原因とするアレルギー性鼻炎の鼻水は通常無色透明ですが、その慢性化や悪化によって副鼻腔炎が引き起こされ、鼻水が黄色っぽくなる場合があります。近年の副鼻腔炎はアレルギーをともなうことが増えてきており、全体の40%を越えるほどです。

④好酸球副鼻腔炎(こうさんきゅうふくびくううえん)

両側の鼻の中に鼻茸(はなたけ)と呼ばれるデキモノが多発的にでき、除去手術をしてもすぐに再発する難治性の慢性副鼻腔炎です。鼻づまりがひどくなり、黄色い悪臭を伴う膿状の鼻水が出ます。

細菌やウイルスに感染して発症するわけではなく、自身の体中にある白血球の一種「好酸球」が鼻粘膜で増殖し炎症を引き起こすのですが、どのような原因で好酸球が増えるのか解明されていません。ただ、好酸球性副鼻腔炎の患者の多くに喘息が認められることから、深い関わりがあるのではないかと考えられています。

⑤副鼻腔真菌症(ふくびくうしんきんしょう)

カビ(真菌)が原因でおこる副鼻腔炎です。カビは人の体内に常在しており、健常時に炎症をおこすことはありませんが、体が弱っている場合に活発化します。

特に、免疫が弱まった高齢者は注意が必要です。また普段から抗菌薬、免疫抑制薬、ステロイドを使用している方や、糖尿病などの疾患がある場合かかりやすくなります。
左右どちらかの鼻だけに症状が出るのが特徴で、黄色い悪臭を伴う膿状の鼻水が出たり、また、時には鼻の中からチーズのような状態のものが出てくる場合があります。


黄色い鼻水が出る病気の治療方法

黄色い鼻水が止まらない場合、まず原因を特定し適切に対処することが必要です。
自分では判断の難しい病気もありますので、症状が長引く場合は速やかに耳鼻咽喉科に相談しましょう。

軽症なら、抗生物質の服用と副鼻腔の洗浄

治療方法は、黄色い鼻水が出る原因や病状の違いにより、大きく変わってきます。
しっかり休養を取り生活習慣を改善することで治る場合もあります。

症状が軽い場合なら通常は、抗生物質(去痰剤・消炎酵素剤・マクロライド・抗菌薬など)を服用しながら膿の吸引、副鼻腔の洗浄などを続けていくことで速やかに改善されます。しかし、重症になると薬物や吸引・洗浄療法だけでは治らないケースが多くなります。

重症の場合は手術

医師の診断で重症だと判断されれば、手術をすることになります。
副鼻腔炎の手術には病的粘膜をメスにより排除する「外科手術」と、「内視鏡手術」の2通りがあります。
症状により適切な手術方法を、医師と相談しながら決めていくことになります。


病気別の治療方法

先に挙げた黄色い鼻水が止まらなければ疑うべき病気それぞれに治療法・症状の改善方法を見ていきましょう。

①急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎は風邪や疲労によって引き起こされることが多く、耳鼻咽喉科で適切な診療を受けたのち疲労回復に努めることが有効な改善方法です。抵抗力を上げるため睡眠をたっぷり取るとよいでしょう。

病院での治療の流れとしては、まず、鼻の中にたまった膿を吸引して取り除き内部を洗浄します。
鼻水から原因菌を調べ、有効な抗菌薬と痛みを和らげるための消炎酵素薬や解熱鎮痛薬で治療を進めていきます。
抗菌薬での治療期間は、基本的には2週間以内とされています。
なお、発症当初は主にウイルス感染のため抗菌薬の効果が期待できないので、軽症である場合には、抗菌薬を投与せずに経過を観察することもあります。


また、「ネブライザー療法」と呼ばれる、霧状の抗菌薬やステロイドを含んだ薬液を、鼻や口から吸入させ副鼻腔内まで届かせる治療方法もよく使われます。
幼児や高齢者でも行える簡単な治療で、鼻腔内を掃除するした後に行うとさらに効果的です。

急性副鼻腔炎は、通常数週間で完治します。しかし、きちんと完治させずにいると、炎症を繰り返し慢性副鼻腔炎へと移行していきかねません。
症状が軽くなっても医師の指示に従ってしっかり治るまで治療を続けることが重要です。

②慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎は副鼻腔炎が慢性化したものです。
急性副鼻腔炎と同様に、軽症であれば疲労回復や生活習慣の改善を心掛ければ徐々に治っていくものですが、状態が悪化している場合には完治が難しくなるため治療期間が長くなってきます。

鼻水が必要以上に出る状態が一カ月以上続いた場合には、慢性副鼻腔炎の可能性がありますので耳鼻咽喉科の診察を受けるようにしましょう。

慢性副鼻腔炎の治療も急性と同様、鼻水の吸引、鼻の洗浄、ネブライザー療法、薬の内服です。
膿が多い場合には、副鼻腔に針をさして洞内を洗い、薬液を注入する場合もあります。
細菌感染を経て発症するので、マクロライド系抗菌薬を少量ずつ、長期に投与していくのが有効とされています。
薬物による治療を数カ月行っても症状が改善されない場合には、内視鏡手術を行います。
副鼻腔内にポリープ状の鼻茸が出来ている場合も除去手術を行います。

なお手術後の治療をおろそかにすると再発することがあるので、手術後にも定期的に専門医の診察を受け、医師の指示に従って使用薬を続けることが重要です。
手術の費用は、加入している健康保険や負担割合、高額医療限度額認定証の有無や年齢などによって大きく異なり、1万円から30万円程度まで幅があります。

③アレルギー性鼻腔炎と副鼻腔炎の併発

アレルギー性鼻炎から進行した副鼻腔炎の場合、通常の副鼻腔炎の治療に並行して、アレルギーの原因となる抗原の除去、薬物治療(抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服、ステロイドの点鼻など)を行います。また、重症の場合は他の副鼻腔炎と同様、手術療法を用いる場合もあります。

④好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎は原因不明で難治性の副鼻腔炎です。前述したように、鼻茸と呼ばれるデキモノが次から次へと発生し、手術をしても再発する可能性があります。

治療には、抗ロイコトリエン薬を中心とした抗アレルギー薬やステロイド薬を点鼻、もしくは内服します。 ステロイド薬は、強力な抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用を持っており、確実な治療法として使用されていますが、投与する量が多くなると副作用が心配になります。

また、このような薬物治療を行っても効果の少ない場合には、内視鏡手術で鼻茸などを除去して副鼻腔内をきれいにしてから、好酸球をおさえる薬を投与して治療をおこないます。再発率が高いので、手術後も長期間の治療と管理が必要です。
医師の指導にしたがって気長に治療に取り組みましょう。風邪を引いたり、喫煙を継続していると再発する可能性が大変高くなります。

ちなみに、物のにおいがしなくなったら再発の兆候です。初期段階であれば、ステロイド剤を短期間内服するだけで再発を抑えることができます。

⑤副鼻腔真菌症

前述したように、副鼻腔真菌症の原因は真菌(カビ)ですが、抗真菌剤の内服での完治は難しく、薬物での治療はほとんど行いません。
治療法としては、副鼻腔に溜まった膿を除去し直接洗浄することが有効です。

特に真菌症は上顎洞(頬の副鼻腔)で起こる場合が多いのですが、鼻腔と上顎洞の間にある薄い壁に針を刺し、膿を吸引する「穿刺洗浄」がよく用いられる洗浄方法です。この治療で治らない場合には内視鏡を使った手術を行い、真菌の塊と、炎症の強い粘膜を除去します。カビを完全に除去しないとしばらくして再発することがあります。

治療期間は、排膿・洗浄治療の回数にもよりますが、手術を受ければ一度で治る場合がほとんどです。

まとめ

以上、黄色い鼻水が止まらない原因とその改善法、治療法についてのまとめでした。
鼻水の色が黄色くなるということは、体が細菌やウィルスを排除しようと戦っていることを示しています。
これは同時に体の免疫力が落ちている証拠でもあります。

栄養と睡眠をしっかり摂り、規則正しく生活することで体力を回復させるよう心がけましょう。
黄色い鼻水が出るのをそのまま放置して、重症化、慢性化していくと完治が難しくなります。
鼻水が止まらない場合には速やかに医師の診察を受けることが必要です。


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