2017.02.10

くしゃみが止まらない!?医師が教える止まらない原因について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
たてもと耳鼻咽喉科クリニック
立本 圭吾 医師

京都府京都市東山区三条大橋東入ル大橋町94 三条鈴木ビル5F

075-752-3387

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くしゃみ

職場や学校など公共の場でくしゃみが止まらず、周囲にいやな顔をされたことはありませんか。
周りに不快感を与えているとわかっていても、くしゃみは自らの意志とは関係なく起こってしまう「不随意運動」なので、自分の力で意識的に止めることは非常に困難です。

ただし、くしゃみの原因をはっきり特定することによって、くしゃみを抑制するための効果的な対処法を施すことはできます。
また、くしゃみが体の不調を示すサインとなっていることもありますので、放置せずに医師の診断を受けることも大切です。

今回は医師の監修のもと、止まらないくしゃみの原因とその対処法についてご説明していきましょう。


くしゃみが出る理由

そもそもくしゃみはどうして出るのでしょう。
くしゃみが出る理由は鼻の役割と密接に関連しています。

鼻は単なる空気の通り道ではありません。異物からの防御、空気の加湿、加温など、外界から入ってくる空気に対する門番のような役目をしています。
鼻からゴミや細菌・ウイルスが入ってきて鼻の粘膜を刺激すると、異物を外に追い出そうとします。
また、体外の温度や湿度が変化すると、それに対応して、体に悪い影響が出ないよう空気の状態を調整しようとします。
そんなときに体がとっさに反応して起こす運動がくしゃみです。

つまり、くしゃみは体を守るために必要な反応なのです

くしゃみが止まらない原因

くしゃみがとまらい

それでは、くしゃみが止まらない原因について病状別にご紹介していきます。

①風邪

くしゃみが出ると、反射的に「風邪をひいたかな」と思われる方が多いのではないでしょうか。
風邪とは、一般にウィルスが上気道(鼻、咽頭、気管支など気道の上のほうの臓器)に感染して起こります。
各臓器によって症状の現れ方が異なり、くしゃみ・鼻水は鼻腔や副鼻腔、咳は気管支、喉の痛みは咽頭への感染によるものです。

くしゃみは風邪の初期段階で起こる症状で、鼻からのウイルスの侵入や鼻の粘膜への定着を防ごうとする身体の防衛反応のひとつです。
体がウィルスを外に出そうとしているのですからムリに止めないほうがよいのですが、あまり頻繁に続いて体力を消耗するようなら、症状を和らげるため医師の診断を受け薬を処方してもらうなどの対処をする必要があります。

②アレルギー性鼻炎

風邪の症状ではないのにくしゃみが止まらない場合、アレルギー性鼻炎の可能性があります。
アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応によって起こる鼻の粘膜の炎症のことで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが典型的な症状です。花粉やホコリ、ダニなどのアレルギー物質が原因となります。

「抗原」と呼ばれるこれらの物質が鼻の粘膜に付着すると、体の中でヒスタミンと呼ばれる物質が分泌され、これが脳のくしゃみ中枢を刺激し、くしゃみが引き起こされると言われています。

アレルギー性鼻炎には、1年を通して症状が出る「通年性アレルギー性鼻炎」と、一定の季節に限定して症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎」があります。

通年性アレルギー性鼻炎の主な原因はハウスダストです。ハウスダストとは、ホコリの中でも特に1mm以下の、肉眼では見えにくいもののことで、その正体は衣類などの繊維クズ、ダニの死がいやフン、ペットの毛、タバコの煙、カビ、細菌などさまざまです。

そして、このハウスダストを住みかとするダニやカビ、菌がアレルギーの直接の元凶です。
ペットを飼っている家庭でアレルギー性鼻炎を発症する確率が高いのは、これら抗原がペットの体に生息しているためでしょう。

また通年性アレルギーは冬に比較的強い症状が出ると言われています。窓を閉め切って暖房を使っているため、室内にハウスダストが閉じ込められ、また舞い上がりやすい状況である上に、空気が乾燥していることも要因として挙げられます。また、時にはぜんそくやアトピー性皮膚炎を併発することもあります。

季節性アレルギー性鼻炎は、ほとんどが「花粉症」と呼ばれるもので、春のスギやヒノキが代表的ですが、そのほかにも季節ごとの植物の花粉が抗原となります。
通年性と季節性はほぼ同じような症状ですが、屋内にいる時の方が症状が強い場合、通年性の可能性が高いと言えます。

③血管運動性鼻炎(寒冷差アレルギー)

季節の変わり目に気温差の激しい日が続いた時や、冷暖房などで屋内外の気温差が激しくなる時期に、くしゃみが止まらなくなることがあります。
これは「血管運動性鼻炎」と呼ばれる病気です。

体温調整の役割を担う自立神経が、7℃以上の急激な外気温の変化に対応できなくなった時に起こる可能性が高まると言われています。
その症状がアレルギー性鼻炎と似ているため、別名「寒冷差アレルギー」と呼ばれることもありますが、いわゆる体のアレルギー反応ではありません。症状の特徴としては、くしゃみの他に、風邪っぽいが熱は出ない、鼻水は無色透明、目の充血はない、イライラして疲れやすくなるといったことが挙げられます。

④刺激物質

ホコリなどの細かいゴミを吸い込んだ時にもくしゃみが出ます。これは刺激の元となる異物を体外に排出しようとする正常な反射反応です。


原因別 くしゃみが止まらない時の対処法

それでは、次にここまでで挙げたくしゃみの原因ごとに対処法をご紹介していきます。

①風邪

風邪を引いた女性

風邪が原因でくしゃみが出る場合は、何より風邪を治すことが一番の改善策です。
風邪を治すために必要なのは、風邪により低下している体の免疫力を回復させることです。

人間の免疫力は体温を上げることによってアップすると言われています。
体温が1度上がると、免疫力が一時的に5~6倍アップするというデータもあります。
風邪を引いたら部屋を暖め、体を冷やさないようにして、体を温める食べ物、飲み物をしっかり取ってください。
上着を1枚羽織る、カイロで首をあたためる、熱いお風呂に入るなど、体を温めるためのちょっとした気遣いで免疫力は回復していきます。また、睡眠を十分に取る、乾燥を防いで加湿することなども有効です。
部屋の湿度は50%程度、温度は20度~25度ぐらいに保つのがよいでしょう。

なお、風邪を治すのに一番手っ取り早い方法は風邪薬を使うことではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、風邪薬に頼るのは必要最小限にするべきです。
咳やくしゃみ、鼻水はウィルスを外に出すために、発熱はウィルスを弱体化させるために起こっています。
風邪薬によってこれらの症状を抑えてしまうことで、かえって風邪が治るのを遅らせてしまうことにもなりかねません。
自らの免疫力に頼るほうが風邪の治りは早いのです。

②アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎の場合の対処法としては、くしゃみの元となる抗原をできる限り除去することが最も重要です。以下にいくつかポイントをまとめてみました。

【通年性アレルギー性鼻炎】

●居間、寝室はこまめに掃除をしてホコリを取り除く。いきなり掃除機をかけると、床に落ちたハウスダストが舞い上がってしまうので、まずはモップをかけてから。エアコンをつけながら掃除機をかけない。
●ぬいぐるみやカーペット、ソファーなどの布製品は部屋に置かない。
●布団や布団カバーは防ダニのものを使用するとよい。定期的に日光にあてて乾燥させ、週に1度は掃除機をかけて吸引する。
●ダニやカビが繁殖しにくい環境づくりが必要。部屋の換気をこまめに。鉢植えを部屋に置かない。洗濯物の部屋干しは避ける。ペットは飼わないなど。

【季節性アレルギー性鼻炎】

●花粉情報をこまめにチェックして飛散量の多い日には対策をしっかり立てる。
●飛散量の多い時には窓、戸をしっかり閉めて家の中に花粉が入らないようにする。
●飛散の多い時は外出を控える。外出しなければならない場合はマスクやメガネをかけて、花粉が付着しにくいツルツルした素材の衣服を着用する。
●外出から帰ったら玄関先で服や髪についた花粉を落とし、うがい、洗顔をする。
●洗濯物は外に干さず、乾燥機を使う。布団も極力干さないことが好ましいが、外に干した場合は花粉をしっかり落としてから取り込む。

ただし、以上のような対策をとっても抗原を完全に除去しきることは困難です。どうしてもくしゃみが止まらない時には、専門医の診察を受けて、薬物治療を行ってください。抗アレルギー薬やステロイド薬、点鼻薬として抗ヒスタミン薬など、必要に応じて用い症状を和らげます。

③血管運動性鼻炎(寒冷差アレルギー)

血管運動性鼻炎は自律神経の働きがにぶくなって起こるとされていますが、寒暖差などが引き金になって起こるにせよ、原因が特定できない場合が多く、根本的な治療を施しにくい病気と言えます。まずはこのような病気があることを認識し、なるべくかからないよう予防をすることが肝心です。
対処法としては、急激な温度変化が起こらないよう環境を整えることが必要でしょう。

具体的には、
●マスクをして、喉や鼻の中の空気の温度変化を小さくする。
●普段から上着を一枚持ち歩くなど、着脱しやすい服装でこまめに温度調節をする。
●冷暖房を細かく温度管理する。
などが挙げられます。

また、自律神経の働きと関連した病気ですので、自律神経が正常に機能するよう心掛けることが血管運動性鼻炎の予防、あるいは症状を和らげることにつながります。
具体的には、

●しっかり睡眠を取る
●ストレスがたまらないようにする
●喫煙、飲酒はなるべく避ける。
●食生活を見直す、運動により筋肉をつけるなど、体質改善に努める。
などが挙げられます。

④刺激物質

一時的なものなので特に気にすることはありませんが、長引くようなら医師の診察を受けて、薬を処方してもらうとよいでしょう。


(コラム)モーニングアタックを避けるには

朝

 

朝起きた途端に、強い鼻づまりを感じたり、くしゃみや鼻水が発作のように止まらなくなったことはありませんか?
このような症状を「モーニングアタック」といいます。
朝起きてすぐの時間帯に激しく症状が起こる一方で、日中はさほどではないという方も多いようです。

なぜこのようなことが起こるのか、モーニングアタックの原因のひとつとして挙げられるのが、自律神経のバランスの乱れです。
自律神経には日中活動しているときに働く「交感神経」と、リラックスしているときや睡眠中に働く「副交感神経」があります。
昼間優位に働く交感神経は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を抑えてくれますが、睡眠から覚めたばかりではまだ副交感神経が優位なため、交感神経が十分に症状を抑えることができず、モーニングアタックが起きると考えられています。

もうひとつの原因としては、起き上がる際に周囲に積り落ちていたハウスダストや花粉が舞い上がり、それを吸い込んでしまうからだとも言われています。
いずれにせよ、朝一番からこのような不快な症状が起こってしまうと、一日の生活にも影響してしまいますので、なるべく起こらないよう予防したいものです。

以下、具体的な対策を列記しておきます。

①布団の中で指を動かしてから起きる

目が覚めて布団の中で数分間、手足の指を動かしてから起き上がります。交感神経を活発化させることで、くしゃみなどの症状を抑えます。

②朝起きたらすぐ日の光を浴びる

日光を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経のバランスを修正してくれます。

③寝室は、整然としたレイアウトで、こまめに清掃を。

寝室が散らかっていたり、物が多かったりするとハウスダストや花粉が溜まりやすくなります。余計なものはおかず整然としておけば掃除もしやすいですよね。

④就寝時にマスクをする

ホコリを吸い込むのを防ぎ、保湿効果も期待できる他、寒さによる刺激も和らげることができます。

まとめ

以上がくしゃみが止まらない原因とその対処法のまとめです。
くしゃみの主な原因は、ウィルスやアレルギー物質など鼻に入ってくる異物です。
これらを吸い込まないように身の回りの生活環境を整えることが大切です。

また、くしゃみの症状を抑えてくれる自律神経が正常に働くよう、生活のリズムを整えることも心掛けたいものです。
このように、くしゃみは、ある程度予防することで防ぐことができますが、どうしてもくしゃみが止まらなくなってしまったときは、速やかに専門医の診察を受けるようにしましょう。


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