2016.10.27

医師が教えるインフルエンザ潜伏期間

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潜伏期間とは、体にインフルエンザウイルスが侵入し、発熱などの症状が現れるまでの期間の事を言います。

初めにインフルエンザウイルスが侵入するのは鼻や喉です。そこから、ウイルスは喉の奥の「気管(きかん)」を通り、さらに奥に存在する「気管支(きかんし)」を通じて、肺の奥まで入り込みます。

ウイルスは細胞内に侵入します。この状態を「感染細胞」と呼びます。侵入後は細胞の中で自身のコピーを量産します。ウイルスが量産されても数が少ないうちは症状が現れないので、インフルエンザを発症している自覚症状は殆どありません。

しかし、インフルエンザウイルスが細胞を消耗し、ウイルスを量産する事でいずれ細胞はズタズタになり死滅します。細胞が死滅すると、死滅した箇所に炎症が現れます。

炎症が起因となり発熱、関節痛、筋肉痛、悪寒(おかん)を初めとした様々な症状が現れ始めるのです。

簡単にまとめますと、インフルエンザウイルスが人体に侵入してから、発熱、関節痛、悪寒といった症状が現れるまでの期間の事を「潜伏期間」といいます。

今回は医師の監修のもと、インフルエンザの潜伏期間について説明します。


インフルエンザの潜伏期間はどれくらい?

前述しましたが、潜伏期間とは「インフルエンザウイルスが人体に侵入してから、発熱、関節痛、悪寒といった症状が現れるまでの期間の事」です。

インフルエンザの潜伏期間は非常に短期間で、1~3日程と考えられています。どんなインフルエンザでも潜伏期間は同じです。

一例ですが、症状に感染している人と接触し、人体にインフルエンザウイルスが侵入した当日を1日目とします。4日目に発熱、関節痛、筋肉痛、悪寒等の症状が現れた場合は、発症までの3日間が潜伏期間だと考えられます。

他の感染症と比較してインフルエンザの潜伏期間は非常に短いと言われています。

インフルエンザ潜伏期間中の予防接種は有効?

Doctor that hit the vaccine予防接種はインフルエンザの潜伏期間中でも行う事ができます。しかし、発熱している場合などは、予防接種を行えないこともあります。また、インフルエンザの潜伏期間は1~3日程度で長くても1週間程度と言われています。予防接種のワクチンの効果は約2週間ほど経ってから現れるため、実質は間に合いません。つまり、インフルエンザウイルスが潜伏している場合、予防接種を行ってもワクチンの効果が現れる前にインフルエンザを発症するので、症状の予防にはならないということです。

しかし、インフルエンザは、A型・B型・C型と大きく分けて3つの種類が存在しているので、発症したインフルエンザと別のインフルエンザに対して予防効果を発揮する可能性があり、そういった意味では有効と言えそうです。

インフルエンザ潜伏期間中に症状は?検査はするべき?

インフルエンザの潜伏期間中は基本的に症状が現れません。潜伏期間に診断を行うのは難しく、発熱、関節痛、筋肉痛、悪寒等の初期症状が現れてから、12~24時間ほど経過しないと症状・状態を正確に診断するのは困難と言われています。ですので、その段階での検査はあまり意味がなく、また、症状の無いタイミングでの検査は保険の適用外になってしまうので、症状の初期症状が現れてから1日ほど経ってから診断するのがお勧めです。インフルエンザの診断を潜伏中に行うのは困難であると考えておいて下さい。
時間を共有する事が多い職場の同僚や家族がインフルエンザを発症すると「もしかすると…自分もインフルエンザに感染しているのでは?」と不安になると思います。
インフルエンザを発症した可能性が少しでもある、不安がある場合は他者への感染予防のため、マスク等を着用しましょう。もしも風邪に似た症状が見られる場合には、早急に医療機関で診断を受けるようにしましょう。


インフルエンザは潜伏期間でもうつる?

/インフルエンザの感染力は非常に強力で、自覚症状が無い潜伏期間でも、咳やくしゃみ等によってうつります。潜伏期間から症状が完治するまで、ずっと感染する恐れがあり、症状は3~7日は治まりません。

完治するまでの期間は人それぞれです。インフルエンザによる合併症を発症している場合、元々既往歴(既に完治しているがこれまでに発症した病気の事)がある場合、子供や老人である場合には個人差があります。

感染力が最大になるのは初期症状が現れてから3日目だと考えられています。これはあくまでに“最大”のタイミングなので、潜伏期間中から他者へ感染する危険性があります。

潜伏期間中は自覚症状がない事も多く、非常に厄介です。いきなり「熱っぽい」と言い出したり、鼻水が激しくなる、喉が辛そうにしている、くしゃみが多いといった症状はインフルエンザの初期症状、もしくは潜伏期間中の症状である危険性があります。

インフルエンザの流行中にそのような症状が見られる人がいたら警戒するようにしましょう。

頭痛、全身の倦怠感、急な発熱にも注意です。幸いな事に発症後の感染力と比較すれば潜伏期間中の感染力は低いです。

感染力・症状がピークを迎える発症3日目を迎える前にインフルエンザを発症している事を明らかにし、抗インフルエンザ薬を医療機関で処方する事で感染は最小限に抑える事が可能です。

感染した場合でも、多くは症状が軽度である内に回復します。身体状態等によっては合併症の恐れもあるので警戒が必要です。特に注意が必要なのは次の場合です。

・高齢者
・乳幼児
・妊婦
・呼吸器・心臓・免疫機能に疾患糖尿病治療中の人
・透析中の人

合併症等の心配がないか否か、医療機関で医師に相談を行いましょう。


インフルエンザの潜伏期間に関するまとめ

・インフルエンザ潜伏期間は約1~3日
・インフルエンザ潜伏期間の予防接種は他の種類の予防に有効
・インフルエンザ潜伏期間は症状はほぼない、検査は初期症状後
・インフルエンザは潜伏期間でもうつる

以上、インフルエンザの潜伏期間に関するまとめでした。

完治するまで周囲へ感染する可能性があり、感染力も非常に強力なため、初期症状を自覚したら感染を防ぐためにも医療機関を受診しましょう。