2016.03.18

医師が教える胃ポリープ切除(日帰り手術)と費用

この記事の監修ドクター

監修ドクター
医療法人社団善精会 鶴町クリニック
鶴町 哲也 医師

東京都世田谷区経堂1丁目14番13号

03-3425-5220

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ポリープとは胃腔(いこう:胃の中の空洞のこと)にできる突起物のことで、簡単に言えば体内にできる「おでき」のようなものです。悪性のポリープは癌(がん)になる可能性もあります。

今回は「そもそも胃ポリープとはなんなのか?」というお話から

・切除手術が必要なのはどのような場合か
・症状
・手術の内容・費用
・保険は適応されるのか
・手術をした場合の入院期間・日数
・手術後の生活と食事

について説明したいと思います。


胃のポリープとは

ポリープ画像引用元:http://www.katsura-clinic.com/

前述しましたが、細胞の異常増殖が原因で、胃腔(いこう:胃の中の空洞のこと)に突起物ができてしまう病気です。悪性のポリープは癌にかわる可能性もある上、症状がかなり進行してからでないと自覚症状が現れないので、自主的に検診などを行い用心する必要があります。しかし、胃にできるポリープは、大腸ポリープとくらべ良性のものがおおく、健康に悪影響をあたえるほど成長することは少ないです。

胃ポリープで切除手術が必要な場合

胃ポリープは良性のものがおおく、痛みなどの症状が一切ない場合がほとんどです。しかし、稀に癌細胞をふくんでいる場合や、腺腫(せんしゅ)のように将来的に癌になる可能性があるものもあります。

そのため、ポリープが発見された場合、まずは「そのポリープがどんなものであるのか?」検査し、状況に応じて手術などの処置を行います。

胃ポリープが良性の場合

良性のポリープは身体に害を与える可能性が低いため、ほとんどの場合、手術せずに放置しても問題ないです。ただし、ポリープには「有茎性」「無茎性」があり、「有茎性」と診断された場合は良性の場合がほとんどなのですが、「無茎性」と診断された場合、悪性の場合があるため手術で切除する必要がでてきます。また、良性の場合でも2cmをこえる大きさになったり、出血してしまっている場合は切除します。

porip画像引用元:http://www.onaka-kenko.com/

胃ポリープが悪性の場合

悪性のポリープは癌細胞を含んでいたり、癌に変化する可能性があるため手術で切除する必要性があります。悪性の場合、大きくなるだけではなく、胃の深部まで症状がひろがり胃の外壁や他の臓器にまで転移する可能性がたかくなります。そうなると命の危険性もでてくるため早急な手術が必要です。

胃ポリープの症状別説明

胃多発性ポリープ

「多発性」と判断される基準は、ポリープが5個以上あることです。基本的に良性のポリープのため、無症状の場合がおおく、健康に影響を及ぼすことも少ないため、手術せずに経過観察となります。

胃底腺ポリープ

胃底腺(いていせん:胃の粘膜を構成している腺で胃酸などを分泌する)にできるポリープで、同時に複数発生する場合がおおいです。男性よりも女性の発症率がたかいです。 大きさは米粒ほどで、胃の粘膜と色はかわりません。癌になることも少なく、自然に消滅する場合もありますが多発します。経過観察となります。

胃過形成性ポリープ

胃ポリープの中でももっとも発症数が多いといわれているのが「胃過形成性ポリープ」です。癌に変化することは稀ですが、2~3cmほどまで大きくなったり、出血による貧血などの症状がでます。その場合は、内視鏡切除を行う必要がります。

腺腫性ポリープ

腺腫性(せんしゅせい)ポリープは将来的に癌になる可能性があるポリープです。通常は大きさも2cm以下で褐色、もしくは灰白色調の扁平隆起病変(へんぺいりゅうきびょうへん)なのですが、大きさが2cmをこえると癌になる可能性が高まります。経過観察もしくは内視鏡で切除します。定期的に通院し医師とよく相談するようにしてください。


胃ポリープ切除手術の内容

胃ポリープは良性の場合が多いです。そのため、手術をおこなわずに経過観察をする場合がほとんどです。切除するための手術は以下の条件が該当する場合に必要と考えられています。

・X線造影検査や内視鏡検査(胃カメラ)をおこない、ポリープが発見された
・ポリープのおおきさが5mm以上
・染色や拡大によって腺腫(せんしゅ)の可能性が高い

また、ほとんどの場合日帰りでの手術が可能です。

胃ポリープ切除(手術)の種類

ポリペクトミー:日帰り手術が可能です

内視鏡(胃カメラ)を通し「スネア」とよばれる器具を「投げ縄」のようにポリープにひっかけます。その後、徐々にスネアをしめながら高周波の電流を流し、ポリープを焼き切る手術方法です。
ポリぺく

EMR(内視鏡的粘膜切除術):日帰り手術が可能です。

全体がもりあがっている形のポリープは、そのままの状態では切りにくいのでポリープの下に生理食塩水を注入することで、ポリープ自体を底上げし「スネア」がひっかかりやすいようにします。

スネアがひっかかりやすいおおきさになったら、あとは「ポリペクトミー」と同様の手順でポリープを切除します。
EMR

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術):入院手術となります。

ポリープが2cm以上の状態の場合保険適用でおこなうことができる手術です。EMRと同様にポリープの下に生理食塩水を注入後、下層部分ごとポリープを切開し切除する方法です。

ポリペクトミー、EMRの手術では「スネア」が使用されますが、スネアは2cm以上おおきくなってしまったポリープには輪をかけることできず、切除できないという問題がありました。

ESDではスネアにかわり、電気メスが使われます。ポリープの周囲をまるごと切除するので、病変を取り残すことがすくなくなります。結果、再発する可能性が低くなるメリットもあります。ESDは入院(5日~1週間)が必要となり、専門の病院で治療するのが一般的です。

手術までの流れ

診察から治療終了までは4つのステップにわかれています。

1:診察
X線造影検査や内視鏡検査(胃カメラ)で検査をおこなった際に、胃の状況を確認して切除が必要なポリープがあった場合手術が必要となります。
医療機関によっては、内視鏡検査(胃カメラ)の際に切除が必要なポリープがあった場合、検査中に切除まで行い、日帰り手術となるケースもあります
その場合は、下記フローの2番を飛ばして行えるので、来院回数を減らす事ができます。
ただ、切除が必要なポリープで大きなポリープは、入院が必要な場合があります。検査前と検査後の医師の説明をしっかりと受け確認しましょう。

2:検査結果の説明
医師から説明を受け、治療スケジュールの検討、手術に関する詳細を確認します。

3:手術
手術の種類によって手術時間はことなりますが、ポリペクトミーやEMRのような施術時間が短いものでしたら15~30分ほどで治療がおわります。ESDの場合は1~3時間ほど時間が必要になります。

4:術後
術後は病院内で1、2時間ほど療養していただきます。療養後、再度医師から手術の結果や病状、今後の対応に関する説明を受けます。胃ポリープは、基本的に日帰りの手術ですませることができますが、ポリープの大きさが大きい場合やESD手術の場合は入院が必要となります。

※術後の注意点
・手術の際には鎮静剤や麻酔が使用されます
・その為、術後の運転などは控えてください


胃ポリープ切除手術の費用

手術の種類毎に費用がことなります。また、ポリペクトミー、EMR手術の費用は日帰り手術の場合で算出しております。患者によっては入院しなくてはならない場合もございますが、日数など条件がことなりますので具体的な費用は医師に相談してみてください。

ポリペクトミー手術の費用

手術費用:14,000~18,000円(3割負担)
※ポリープの切除が1箇所の場合、箇所がふえると費用がふえる場合があります。

EMR(内視鏡的粘膜切除術)手術の費用EMR(内視鏡的粘膜切除術)手術の費用

手術費用:18,000~22,000円(3割負担)
※ポリープの切除が1箇所の場合、箇所がふえると費用がふえる場合があります。

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)手術の費用

手術費用:150,000~170,000円(3割負担)
※ESD手術は5~7日の入院が必要なので費用が比較的高額になります。また入院費用も病院によってことなるので、詳細は医師にうかがってみてください。

胃ポリープ切除手術の保険適応

胃ポリープ切除手術には健康保険が適応されますので、医療費は3割負担となります。また、費用が一定額をこえた場合、高額療養費制度で給付金を受けることができます。給付金の金額は年収によって異なります。

胃ポリープ切除手術の入院期間・日数

前述しましたが、胃ポリープの手術は基本的に日帰り手術でおこなうことが可能です。また、検査中に切除が必要なポリープで、切除可能な大きさであれば、その場で切除となる医療機関もあります。ただ、ポリープが大きかったり、症状によっては入院する必要もあります。その際の目安は1泊2日~2泊3日ほどと考えてください。またESDを行う場合は、5日~1週間の入院が必要となり、専門の病院で治療を受けることになります。

切除手術後の生活と食事

出血や穿孔(せんこう:胃の壁がやぶれてしまい、胃腔と腹膜腔がつうじてしまう状態)などの合併症はポリープの切除手術をおこなった翌日から発生する可能性があります。切除手術後一週間は安静にして様子をうかがってみてください。

「安静って・・・具体的にはどうすればいいの?」と思った方は以下を参考にしてみてください。

・激しい運動をしたり、重いものを持ったりしない
・刺激のつよい辛い食べものや、飲酒は禁止
・トイレで無理にいきまず、排便を行う
・手術当日は入浴禁止、その後も1週間はシャワーにしてください
・胃ポリープの手術後1週間以内に腹痛や赤黒い便がでるようなことがあったらすぐに病院へ、どこか出血しているかもしれません。
・しばらくは柔らかくて、消化にいいものを食べるように心がける。繊維質のおおい食品も禁止
・下痢をしないように、冷たい飲料、アルコールは避ける。下痢をすると腸内の圧力が高まるため出血する可能性が高くなります。


まとめ

胃ポリープに関する説明は以上になります。胃にできるポリープは、大腸にできるポリープと比べ癌(がん)になる可能性は低いです。そのため経過観察になるケースがほとんどですが、癌になる可能性は0ではないですし、大きくなりすぎると出血したりして体調に影響を及ぼすこともあります。症状がすすまないと違和感を感じにくい病気なので、定期的に検査をうけ、早期発見できるように心がけましょう。
ポリープの切除は、内視鏡検査(胃カメラ)時に切除可能な大きさであればそのまま切除してくれる医療機関もあります。ただ、大きさや患者様の状況に応じて、別の日に手術を行う医療機関もございます。検査の際によく医師と事前に相談してください。

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鶴町 哲也 医師

東京都世田谷区経堂1丁目14番13号

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