2016.03.15

医師が教える胆石症の(日帰り)手術と費用

この記事の監修ドクター

監修ドクター
医療法人斉智会おだクリニック日帰り手術外科
小田 斉 医師

福岡市中央区高砂1-8-8 サンクス渡辺通3F, 4F

050-5281-3353

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胆石(たんせき)症と聞いてもどのような病気かイメージできる人は少ないと思います。腹部の痛み、右肩のこり、右背部の痛みなどの症状がある病気で、急性胆のう炎になると強い痛みがある病気です。

ここ数十年で胆石をもっている人の割合はグッと増加しました。その理由は食生活の欧米化や高齢化、また検査を受けることが一般的になり、発見されやすくなったところにあります。胆石は高齢者では10人に1人がもっていると言われています。しかも男性よりも女性がもっている場合が多いです。

今回は「そもそも胆石症とはなんなのか?」というお話から

・治療に保険は適用されるのか?
・胆石症の手術はどのようにおこなわれるのか?
・手術の費用はどれくらいかかるのか
などなど、胆石症についてお話したいと思います。

※掲載内容に関しては、専門の医師に監修いただいております。


胆石症とは

激痛
胆石症とは肝臓からでた胆汁(たんじゅう)の成分が、胆のうなどの臓器のなかで石のようにかたまってしまう病気です。

症状としては、「疝痛(せんつう)」とよばれる痛みがあります。胆石症になって痛みをかんじるレベルになると体の中にある石は1、2個どころではなく、数100個です。この数100個の石のいくつかが胆管などに移動して痛みを引き起こします。

胆石が体内にあっても約6割の方は無症状で、残りの3割くらいの方々に症状が出てきます。症状としては、腹部の不快感・右肩こり・右背中への痛みなどがあります。また、突然激痛があらわれることもあり、じってしていることすら難しく、楽な体勢をとるために動き回り「転げ回るほどの痛み」と表現されています。これは、胆石が胆のう管につまって急性胆のう炎を起こしたと考えられます。

胆石症の手術適応ガイドライン

日本消化器病学会が発表している『患者さんと家族のための胆石症ガイドブック(https://www.jsge.or.jp/theme/jsge2015/files/citizens/guidebook/05_tanseki.pdf)』を参考にしてみてください。

このガイドブックは複数の専門医が知恵をだしあって作成されたもので、「胆石症とはなにか?」「胆石症の診断と治療」「胆石症の治療後」について記載されています。治療を受ける前には理解できるまで読み込み、納得いく形で治療にとりくみましょう。

胆石症手術の保険適応

胆石症の手術には健康保険が適用されます。

高額療養費制度が適用可能

胆石症は高額療養費制度が適用可能です。高額療養費制度とは、高額な医療費を支払った場合、高額療養費で一定の金額があとで払い戻される制度です、申請方法などの詳細は『全国健康保険協会』のウェブページで確認できます。
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150)


胆石症の手術(治療)内容

胆石症の手術・治療方法は大きく分けると

・内科的治療
・外科的治療

の2種類があります。胆石があっても生活に影響のない人もいますが、お腹に痛みを感じたり、発熱があるような場合は胆石症の手術・治療を行ったほうがよいです。また、無症状でもまったく影響がないわけではなく、胆石が胆汁の流れに悪影響をおよぼし、肝臓に影響をあたえる恐れがあるので、定期的に検査することをおすすめします。

内科的治療

胆石溶解療法

手術方法の中では比較的効果が期待できない治療法です。治療を開始してから胆石が溶解するまでに1年ほど時間が必要で、完全に溶ける胆石も全体の18%ほどです。再発する可能性があります。薬を飲んで治療を行っていくので麻酔は不要です。治療効果が低いので、痛みの症状が強い方には適した治療にはなりません。

体外衝撃波

体外衝撃波(ESWL)を行った場合、胆石の完全消失は55%ほどです。再発する確率は1年で20%、5年で40%ほどだと考えられています。こちらも治療の際に麻酔は必要ありません。一度胆石ができた方は、また胆石が体内にできやすい方なので、治療の効果を考えると外科的治療(手術)が根治性・再発率の点から有効と考えられています。

外科的治療(開腹手術)

主に「胆のう摘出術」という手術を行います。これは「胆石ができる臓器を摘出する」目的で行われ、原因を根本から解決することが目的です。また、手術は全身麻酔で行われます。開腹手術となり、お腹を10cm~15cm切開する必要があります。手術は入院が必要となります。現在では、ひどい炎症や癒着がない場合は、腹腔鏡下胆のう摘出術が主流となっております。

腹腔鏡下胆のう摘出術:日帰り手術も可能

腹腔鏡をつかった手術の場合、3~10mmほどの穴を4箇所に開けて手術を行います。開腹手術と比較して小さな傷跡で行うことができ、また傷が小さいので治癒も早いです。手術は麻酔を使って行うのでほとんど痛みはありません。日帰り手術ができる医療機関もあります。
腹腔鏡下胆のう摘出術

【開腹手術との比較】

・手術時間が短い

・手術後の痛みが少ない

・傷跡が小さい。10cm~15cm>3mm~10mm

・入院期間が1~3日と非常に短い(通常は4日~7日)

・術後の腸癒着(腸の癒着(ゆちゃく)によって腹痛、食欲不振、腹部の膨満感・不快感、吐き気などの症状があらわれること)が、ほとんど発生しない


胆石症の手術費用

胆石の手術は、基本的には入院が必要な手術でしたが、麻酔法と医師の技術・手術の流れにより日帰り手術で行える医療機関も出てきました。
また、入院期間も1泊~7泊と医療機関によって異なります。

外科的治療(開腹手術)の手術費用

保険適用(3割負担):約150,000円~220,000円(入院費用込)
※医療機関によりますが、およそ4~9泊の入院が必要です。

腹腔鏡下胆のう摘出術の手術費用

保険適用(3割負担):約130,000~150,000円(入院費用込)

治療後の入院期間が短いので通常の外科的治療より費用が抑えられます。
※医療機関によりますが、3~4泊の入院が必要です。

日帰り手術の手術費用

保険適用(3割負担):約10万円前後

入院の必要がないため、精神的・身体的・経済的な負担が少ないと言えます。
日帰り手術で行える医院は全国でも非常に数が少ないです。記事の最後にご紹介いたします。
また、自宅で療養するのが不安な方は、1泊2日で入院するなど各医療機関に相談してください。

※手術費用はあくまで目安としてください。治療を受ける際は医療機関に詳しく聞くようにしてください。


胆石症手術・治療の入院期間・日数

入院

内科的療法の入院期間・日数

通院の必要はありますが、入院の必要はないため0日です、通院期間は6~36ヶ月ほどです。

外科的療法の入院期間・日数

4日~9日ほどが目安です。

腹腔鏡手術の入院期間・日数

2泊3日程で退院が可能です。

日帰り手術の入院期間・日数

入院の必要はありません。

手術後の生活や食事

胆石症は手術自体も他の手術と比較して安全ですし、手術後も日常生活に大きな影響がでることは極稀です。もちろん治療方法によりますが、合併症や腸癒着さえなければ、痛みも1、2日ほどでおさまります。

また、胆のう摘出手術を行った患者様は「胆のうを摘出して問題はないのか・・・?」と疑問に持つ方が多いのですが、結論からいうと「問題ありません」そして、手術前とほとんどかわりはないです。

胆のうの役割は、胆汁を蓄えることです。そのため、胆汁を蓄えることはできなくなりますが、もともと肝臓から生成されるため、ほとんど影響はないです。ただし、そもそも食生活に問題があったことから胆石症になる場合が多いので、術後は食生活の見直しをする事をお勧めします。


手術後の再発率

内科的治療を行った場合の再発率は若干高めで、1年目で18%ほど、4年目で40%ほど、15年以内だと、なんと80%ほどになります。(治療法によってもことなります)

外科的治療では、胆石をつくる原因となる、胆のうを摘出してしまうため、再発する可能性は非常にひくいです。

再発を防止するために意識するべきこと

野菜
胆石症の再発には、急激なダイエットや、食生活が関わってきます。近年の研究では急激に体重がへると、胆石が形成されるリスクがたかくなるといわれています。胆石症になったことのない方も、急激に体重が減るようなダイエットは避けたほうがよいでしょう。

また、食生活ですが・・・こちら、実ははっきりとしていないことが多いのが現状です。まだ充分な研究が行われていないのです。一説では以下のような食事は胆石症になるリスクを高めるのではないか? と考えられています。

[胆石症になるリスクを高める食事]
・炭水化物過多
・糖質過多
・動物性脂肪過多(バター、牛乳、卵、チーズ、マーガリン、生クリーム、etc・・・)

逆に以下の食品は胆石症になるリスクを下げると考えられています。

[胆石症になるリスクを下げる食事]
・野菜
・大豆
・魚(サンマ、サバなど多価不飽和脂肪酸をおおく含む魚)
・食物繊維
・果物

上記にまとめてみましたが、低カロリーでヘルシーな健康的な食生活が理想的ですね。バランスを考えて食事をするように意識してください。


まとめ

現代において、高齢者の胆石症は10人に1人が発症する可能性がある、非常に身近な病気となっています。症状も人それぞれで、急性胆のう炎を起こした場合はひどい痛みがあります。治療は比較的安全で、比較的短期間で行うことが可能です。また、手術・治療の際は健康保険も適用されますし、高額医療費制度の対応にもなります。腹部や背中に鈍痛がある人は1度お医者さんに相談してみてください。

現在、治療方法としては、腹腔鏡下胆のう摘出術が、根治性・再発防止・傷の大きさ・入院期間からみて最適な方法と考えられています。ただ、患者様の症状によっては、開腹手術が必要な場合もあります。

近年では、麻酔法と医師の技術の進歩により日帰り手術ができる医療機関が出てきました。日帰り手術で対応ができると、患者様にとって精神的負担・身体的負担・経済的負担が軽減されます。

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小田 斉 医師

福岡市中央区高砂1-8-8 サンクス渡辺通3F, 4F

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