2016.05.18

専門医が教えるクモの巣状静脈瘤の症状・原因・治療方法

この記事の監修ドクター

監修ドクター
医療法人社団報健会 森末クリニック
森末 淳 医師

東京都日野市多摩平1-4-19-201

050-5828-4777

http://www.1day-surgery.com/top_30913.html

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クモの巣状静脈瘤は、真皮内の毛細血管が拡張するタイプの静脈瘤です。
大腿から膝下に外側から後面に集簇した形で発症することが多く、若年から女性によくみられます。

※掲載内容に関しては、専門の医師に記述していただいております。



クモの巣状静脈瘤の症状について


疼痛をきたすこともありますが、多くは美容上の問題です。静脈瘤の血管径はO.1~1.0mmと規模は小さいですが、表皮より赤色・青色の血管として透見しやすく、細かく蛇行した血管が集まってみえるため、程度により治療対象になり得ます。疼痛をきたすものは伸展しやすく治療が望ましいです。

クモの巣状静脈瘤の原因について

クモの巣状静脈瘤は、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが主に関与し真皮内血管を拡張させることで生じます。他の下肢静脈瘤の殆どが、血液の逆流が原因であり、クモの巣状静脈瘤は下肢静脈瘤の範疇にあっても、他とは性格が異なるものです。年配者においては足部にクモの巣状静脈瘤がみられることが多々ありますが、この際は静脈壁や周囲支持組織の加齢性変化も伴っての発症とされています。

クモの巣状静脈瘤の治療方法

硬化療法とレーザー照射がありますが、硬化療法は他のタイプの静脈瘤に用いるよりも低い濃度で行います。またレーザーについては、伏在静脈型に使うようなファイバーを血管に通すタイプでなく、体の外から当てるタイプのものを使います。


 硬化療法


硬化療法は極細の注射針を静脈瘤内に刺入し、0.25~0.5%のポリドカノール(ポリドカスクレロールR)0.5㏄~1㏄を注入する。範囲に応じて数か所行った後、弾力包帯あるいは弾性ストッキングで圧迫する。(圧迫期間は病状により異なります。)そして施行後2~4週間して外来チェックを致します。

レーザー照射


レーザー照射は、細すぎて注射をうつことが困難な0.5mm以下で、特に硬化療法に比較し、有効性を発揮します。治療前後1か月は日焼けを避けることが必要です。冷却した空気を当てながら直径7㎜のスポットずつ照射していきます。施行後は保冷剤で20分、照射部を冷却後、リンデロンRを塗布、保護のため包帯を巻きますが、翌日自宅で外します。そして施行後1週間後と4週間後に外来チェックを致します。



最後に


美容的側面の強いクモの巣状静脈瘤ですが、かつて筆者も、本当に両脚全体に濃く伸展している女性に硬化療法で治療したことがありました。今までズボンと長いスカートで我慢し、海も全く行かなかったという方でしたが、治療後に表情が晴れやかになり、これからは色んなことに挑戦すると前向きに変化された姿をみて、精神的な内面に病気が影響していたのかと痛感しました。もし悩まれているのでしたらご相談いただくのが宜しいかと存じます。

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森末 淳 医師

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