2016.06.02

痔の出血や痛みが止まらない・・医師が教える肛門・大腸の病気

この記事の監修ドクター

監修ドクター
大垣クリニック
大垣 雅晴 医師

京都府京都市下京区烏丸通仏光寺上る 二帖半敷町655 産経京都烏丸ビル5F

050-5828-4781

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痔の出血

ある日突然お尻から出血が・・・お尻から直接ポタポタと流れていたり、肛門にトイレットペーパーをあてたら血が付着していたり、便に混ざっていたり、出血を確認する方法はいくつかケースがあると思います。誰でもこのような場面に直面したら「もしかしたら痔(じ)かな・・・?」と痔の発症を疑うと思います。

痔は今や「日本人の3人に1人が発症している」といわれている病気なので「ついに自分も・・・」と思ってしまうかもしれません。

しかし肛門部に出血や痛みを伴う病気は他にもあります。「痔かと思っていたら大腸ガンだった・・・」という場合もあります。今回は専門知識を持つ医師の監修を受け、肛門・大腸の病気について説明します。

掲載内容は、専門の医師に監修していただいております。

排便の際に便を確認しよう

「この頃お尻の調子が良くないかも・・・」痛みや、痒み等の違和感があると思ったら自分の便を確認してみましょう。

便に血が混ざっていたり、便器に血がたれていたり、トイレットペーパーに血がついているかもしれません。それは身体が発信している病気のサインです。見落とさないようにしましょう。


痔の痛みや出血の症状

血便

痔は肛門、肛門周辺の皮膚に症状が現れる病気です。

痔は年齢・性別を問わず老若男女発症する病気です。また発症の主な原因は便秘や下痢など誰もが一度は経験したことがある症状からです。その為、常に油断できない病気です。

痔の痛み、出血、症状について

痔の種類

痔にはいくつか種類があり、種類毎に発症のしかた、痛み、出血量が異なります。

[いぼ痔(痔核)]
いぼ痔には内痔核と外痔核の2種類があります。どちらもイボのような「痔核」ができますが発症する部位が違います。発症原因は血行不良、長時間同じ姿勢でいる仕事、便秘、下痢等です。

内痔核は肛門の中に痔核ができる種類の痔で、痛みを感じる神経が少ない場所に発症するので痛みを感じない場合もあります。しかし出血があります。血は濁りのない鮮血です。また排泄時に痔核が外に飛び出すことがありますが押し込むか、時間の経過で自然に元に戻ります。ただし症状が悪化すると飛び出したまま元に戻らなくなる場合があります。この場合は手術が必要になる場合があり、専門医の治療が必要となります。

外痔核は肛門の外に痔核ができる種類の痔です。内痔核と違って強い痛みを伴います。出血量は少量です。排泄後もスッキリせずモヤモヤ感が続きます。

[切れ痔]
切れ痔は排泄時と排泄後に刺すような痛みを伴います。同時に少量の出血を伴います。血は鮮やかな赤色をしています。

切れ痔は便秘時の「必要以上のいきみ」下痢時の「便の強い勢い」が原因で発症することが多いです。排泄をするときも、した後も痛いので切れ痔になると排泄を我慢する人が多いです。しかし排泄の我慢は便秘につながります。すると便がまた固くなって、より痔を刺激します。このように負の連鎖から抜け出せなくなってしまい切れ痔を慢性化させてしまう可能性があります。

[痔ろう]
膿が少量ずつ常に排出されます。膿は粘膜、皮膚、器官に通じている「ろう管」と呼ばれるトンネルのような穴からでます。

不快感とかゆみが常に消えず、膿が溜まることで痛み、腫れ、発熱などの症状を伴います。

痔の治療について

医師が教える”いぼ痔(内痔核と外痔核)”の症状・原因・治療方法
医師が教える切れ痔(裂肛)の症状・原因・治療方法
医師が教える痔ろう(穴痔)の症状・原因・治療方法

を参考にしてください。

痔ろうは肛門がんに悪化することもあるので要注意

痔ろうは常に炎症を伴い、膿が絶えず発生しています。また痔ろうから出ている分泌物は肛門をガン化させる可能性もあります。もし肛門がガン化してしまったら最悪ケースでは、肛門の全摘出が必要になり、人工肛門で生活を送らなければならないです。


痔以外に考えられる病気と症状の違い

 大腸ポリープ

痔と同様の症状を発症する病気は多数存在する

肛門、もしくは肛門付近の皮膚から出血を確認したことがきっかけで「痔を発症した・・・」と思い込んでしまう人は沢山います。

しかし、痔と類似した症状の病気は多数存在しています。中にはガンのような重い病もあり「痔だと思っていたら癌だった」という場合もあります。

医療機関の診断を受けず、自分自身で勝手に判断するのはとても危険な行為です。結果病気の発見・治療が遅れてしまいます。

大腸ガン

大腸がん

大腸に発生するガンです。日本人の死因1位はガンですが、大腸ガンはその中でも2番目に多くの人を死に至らせているガンです。また、女性の死因で最も多いのは大腸ガンです。

大腸ガンを発症すると、下血、血便、便秘、下痢、腹痛、貧血等の症状に加え、細い便がでる、残便感がある、ひどくお腹が張る、体重の減少が止まらない、等の症状を伴います。

中でも多いのが血便です。痔も同様に血便を伴うので勘違いしてしまう人が多いのです。

大腸ガンを早期発見するには内視鏡検査、便潜血検査等を行う必要があります。大腸ガンは悪化してからでないと自覚症状がない病気です。ですが早期に発見して大腸ポリープがガン化する前に切除すれば命が危険にさらされることはほとんどありません。

定期的、かつ自主的な検査を行うのが最もよい対策法です、もし血便を確認したらすぐに医療機関に相談しましょう。

大腸内視鏡検査について

専門医に聞いてみた!初めて大腸の内視鏡検査を受ける人に知ってほしい 6つ のこと

を参考にしてください。

大腸ポリープ

大腸ポリープは直腸壁、結腸壁の組織が増加してしまい、腸内でイボのようになってしまったものです。大腸にできるポリープは8割程の確立でガン化する恐れがあります。大腸ポリープが検査で見つかった場合は、経過観察もしくは大きさよってポリープ切除するのが一般的です。

内視鏡検査の際に小さな大腸ポリープは切除する場合もありますが、対処ができなかった時は、大きなポリープは入院手術が必要となる場合もあります。

大腸ポリープ切除について

医師が教える大腸ポリープ切除(日帰り手術)と費用

を参考にしてください。

直腸ガン

直腸ガンを発症すると、下血、血便、便秘、下痢、腹痛、貧血等の症状に加え、細い便がでる、残便感がある、ひどくお腹が張る、体重の減少が止まらない、等の症状を伴います。発症時に伴う症状は大腸ガンと類似しています。

ガンを発症していると下痢が止まらなかったり、排泄を何度してもお腹がすっきりしない・・・なんてことがあります。これは体がガンの固まりを便と認識してしまい脳を錯覚させるからです。

大腸ガンと同じく症状が痔と類似している為、「市販されている薬で治療しているけど・・・症状が全く改善されない・・・」と思い、医療機関に相談したら直腸ガンだった、という人もいます。

直腸ガンを発症していると便の表面上にこびりつくような血の塊がつきます。出血のしかたは切れ痔に近く、出血量が少ないです。ただし、血の色は鮮やかではなく、黒色に近いです。

直腸ガンか否か確認する方法は、医師による触診(直腸指診)、直腸鏡検査等があります。

結腸がん

初期段階では便秘、下痢等の症状を伴うことがあまりない、発見されづらいガンです。便に血が混ざりやすいので、発見には便潜血検査が有効です。発症すると便が黒く変色します。

直腸炎

直腸炎は読んで字の如く、直腸が炎症を起こすことで発症する病気です。

直腸炎を発症すると、下痢、粘液の流出、粘液をまとった便、痛みのない出血といった症状を伴います。発症する原因として考えられているのがウィルス、細菌等が原因の感染症、潰瘍性大腸炎、クローン病、その他の消化器疾患と併発している場合があります。

痔以外の病気に関するまとめ

どの病気も下痢や出血を伴う等、痔に類似した症状を発症します。大腸ガン、直腸ガンは出血した時には既に症状がかなり進行した状態である場合が多いです。

出血を確認したならば「痔だろう」と自己判断せず、すぐに医療機関で相談するようにしてください。


ケース別の対処方法

ヘルニア診断

痔の出血

痔の種類、症状の進行具合によって出血の仕方、出血量は異なります。場合によっては痔よりも重症なガンの場合もあります。なので、出血を確認し、応急処置を施したら必ず医療機関で相談するようにしてください。

出血した場合、まずはぬるま湯でお尻や肛門を優しく綺麗に洗い清潔な状態にしましょう。次にリラックスして力を抜きましょう。身体が強張ってしまうと全身に力が入ります。この時にお尻にも余計な力が入り症状を悪化させることがあるので注意してください。

下着が汚れないように肛門周辺にコットンやトイレットペーパーをあてたらしばらくおとなしく横になっていましょう。落ち着いたら医療機関で診察してもらいましょう。

肛門から何か出ている

肛門から何かが出ている・・・可能性として考えられるのは内痔核です。

内痔核は排泄時に強くいきむと外に飛び出してしまう事があります。触れても痛みがなければ自分で押し込んで元に戻してしまいましょう。温水で肛門周辺を暖めると元に戻しやすいです。もし、押し込むのが難しければ無理は禁物です。肛門からの脱出を確認したら、なるべく早く医療機関に相談しましょう。早期発見できれば治療も長引きませんし、手術治療まで行わなくても良い場合が多いです。

内痔核でない場合は「直腸脱」という症状の可能性があります。これは直腸が飛び出してきてしまう症状です。症状を自己判断するのは危険なので無理せず医療機関に相談するのがおすすめです。

かゆみが収まらない

肛門に付着した便が炎症を起こしている可能性があります。この場合「ジトジト」したかゆみを感じます。また、かゆみは肛門を温水で洗いすぎても発症する場合があります。

痔核が衣類等でこすれた、直腸に分泌する粘液によるべたつき、等もかゆみの原因です。以

その他の病気の対処方法

日々の排泄がポイントになります。便が大腸内に留まる時間を短くできれば、発がん性物質の発生、悪玉菌による便の腐敗を防ぐことにつながります。

食事の際には食物繊維を多く摂取することを心がけ、排泄しやすい環境を整えましょう。

また何度も記述していますが「自己判断」をしないことです。

専門的な知識を持っていない人の判断は危険です。「痔だと思っていたらガンだった」という人は多いです。仮に痔だったとしても個人の力で完治させるのは簡単ではありませんし、放置してよい病気でもありません。

出血、酷い下痢、慢性化した便秘等の異常を感じたら早急に医療機関で相談しましょう。


まとめ

以上、肛門・大腸の病気に関するまとめでした。

痔なのか、他の病気なのかを見分けるには出血の仕方、便の色、血の色といった要素で判断するしかないのですが、これらの情報で自己判断するのは難しい上、下手をしたら命に関わるような大問題になりかねません。

問題、違和感があったらすぐに医療機関に相談しましょう。

この記事の監修ドクター

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大垣クリニック
大垣 雅晴 医師

京都府京都市下京区烏丸通仏光寺上る 二帖半敷町655 産経京都烏丸ビル5F

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