2017.11.24

カントン包茎の手術・費用について|原因とリスクを医師が徹底解説

この記事の監修ドクター

監修ドクター
すやま泌尿器科クリニック
陶山 健一 医師

福岡県大野城市白木原4-8-1

050-5283-7276

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包茎というと、手指で剥けば亀頭を露出できる仮性包茎と、常に亀頭に包皮が被っていて亀頭を露出することが困難な真性包茎を想像しますが、もう一つ、無理に亀頭を露出してしまって包皮を戻せなくなるカントン包茎というものがあります。
痛みやうっ血などさまざまな障害のリスクがあります。

今回は専門医の監修の元、カントン包茎の手術について説明します。



カントン包茎とは

カントン包茎

カントンとは漢字では「嵌頓」と書きます。元の状態に戻らないことを指します。
カントン包茎は、通常の状態では他の包茎と変わりありません。ただ、仮性包茎のように容易に亀頭を露出することはできません。痛みを伴い、亀頭の露出にかなりの困難を伴います。無理に包皮を剥いたときに包皮を戻すことができなくなるのがカントン包茎です。手指によらなくても、セックスの時に意図せず剥けてしまうこともあります。

『いや、そのままでいれば包茎がなおったんでいいんじゃないですか?』、というわけにはいきません。
基本的には包皮の開口部(包皮輪といいます)が狭いために、さまざまな支障をきたします。つまり、カントン包茎とは、何かの拍子に包皮が剥けて戻らず、それで痛みや障害を生じている状態を指していう言葉なのです

狭い包皮輪が陰茎を締め付けつねに痛みを感じ、包皮自体が腫れてきたり、場合によってはうっ血によって亀頭に血行障害が起こって壊死したりするような事態に陥りかねません。ひどい場合には、一刻も早く病院に駆け込んで処置してもらう必要が生じます。
そこまで急速に悪化しなくても、勃起不全や射精障害などを起こすリスクがあります。

カントン包茎は本当に手術が必要か?

手術が直ぐに必要かどうかは、カントン包茎の程度によります
包皮が剥けてしまったときに陰茎が締め付けられる感覚はあるものの、とくにそれ以外の支障がない軽度のものであれば、緊急に手術の必要はありません。ただ、軽度とはいっても、痛みなどによる勃起不全や射精障害などが起きているようであれば、予防的処置として手術をして改善しておくほうがいいでしょう。
亀頭に血行障害を起こし紫色にうっ血しているような重度のケースでは、緊急に手術をして、亀頭が壊死しないように処置をする必要があります。

カントン包茎であることの問題点

カントン包茎のおもなデメリットには以下のようなものがあります。他の包茎とほぼ同じです。
なお、恥垢とは、尿や精液の滓のほか、性器からの分泌液が乾燥して溜まったものです。

  • ・恥垢が溜まりやすいため、不衛生になりやすい
  • 恥垢が原因で悪臭がする
  • 細菌などが増殖しやすく、亀頭が赤くなったり、かゆみを感じたりする
  • 亀頭炎や包皮炎になりやすい
  • 性感染症、性病にかかりやすい早漏の原因になる
  • ・コンプレックスが原因となって、勃起不全やEDになることがある
  • 成長期に包皮に被われていると亀頭が先細りになることがある
  • 排尿時に尿が飛び散って、トイレを汚しやすくなる


カントン包茎に特有のものとしては

  • ・無理に包皮を剥くと、痛みを感じる
  • ・無理に剥くと包皮が腫れてドーナツ状になる


などが挙げられます。



カントン包茎だと早漏になりやすいって本当?

早漏については、多分にメンタルな問題もありますので一概に包茎だけが原因とは言い切れないこともあります。
ただ、亀頭が包皮に被われているため、日常生活の場面で下着と擦れるなどの刺激を受けることが少なく、刺激に敏感になりすぎて早漏になっているケースがあります。また、挿入時に包皮の上下運動の刺激も加わって、より刺激を受けやすいため、早漏になりやすいともいわれています。

「包茎だから早漏」という傾向は認められるようですが、「早漏=包茎」という訳ではありません。早漏の原因のすべてが包茎にあるわけではありません。メンタルな要因も多分にあります。
ただ、実際、包茎手術後早漏も改善したというケースもあります。包茎が原因でメンタルな問題を抱えていることもありますので、包茎を手術で治すことに一定の効果はあるものと思われます。

カントン包茎の場合には、早漏よりも、包皮の締め付けによる射精障害のほうが大きな問題です

カントン包茎は性病になりやすいって本当?

包茎が性病を含む病気にかかりやすいといわれる理由の第一は、恥垢などによって陰茎が不衛生な状態にあるためです。カントン包茎の場合、剥き洗いをすることが困難なことも多く、仮性包茎に比べても衛生状態はより深刻です

具体的には、細菌感染による包皮炎などのほか、ウイルスによって亀頭や包皮などに先の尖った腫瘍ができる小圭コンジローマなどのリスクも高くなります。長期に炎症を繰り返していると尿路感染症を引き起こしたり、陰茎がんの原因となったりすることもあります。
陰茎の清潔を保っていれば問題ないのですが、カントン包茎では恥垢などの洗い流しがなかなか難しいため、感染症のリスクは高いといえます。

近年HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が問題になっています。陰茎がんの原因になるといわれているウイルスで、このウイルスの型によっては、パートナーの女性に子宮頸がんを引き起こすというものです。HPVは性交渉によって感染する性感染症ウイルスであるため、不衛生な包茎男性のペニスはHPVが増殖しやすくウイルス感染のリスクが高いといわれています。

ただ、HPVに感染しても免疫によって排除されることが多く、包茎の男性とセックスしたからといって必ず発症するわけではありません。HPVは300種類もあって、どれもが子宮頸がんを引き起こすわけではありません。その型によっては男女ともに小圭コンジローマなどを引き起こしたり、男性に陰茎がんを引き起こしたりすることがあるといわれています。
包茎によって陰茎の清潔を保てない場合には、HPVのリスクには注意が必要です。

また、近年若い女性に多く発症している性器クラミジアの拡散に包茎が加担しているといわれることがあります。これはクラミジア・トラコマチスが病原体で、男性の場合は尿道炎として自覚症状が出ることが多い一方、女性の場合には自覚症状に乏しい場合も多いようです。性交渉の低年齢化とともに将来的な不妊につながるリスクが懸念されています。

性病、性感染症は、セックスの回数や相手の人数によってリスクの高低が変わってきます。自分だけでなく相手の女性の性行動によっても変わってきます。相手の数が多く、回数も多ければ、それだけ性病になるリスクは高まります。性交時にコンドームを使うか使わないかによっても、そのリスクは変わってきます。

いずれにしても、陰茎を清潔に保ち、セックスの際にはコンドームなどを使用するなどして、感染症のリスクを減らすことが肝腎なのですが、カントン包茎では清潔を保つこと自体が難しいため、治療をしてなおしておく必要があるといえます。

子どもがほしい夫婦の場合、カントン包茎の影響は深刻です。勃起するだけで痛むこともあってセックス自体ができなくなってしまうこともあります。感染症などによって男性側にも女性側にも不妊につながるダメージを負ってしまうこともあります。

カントン包茎は自分でなおせる?

「包茎は自分でなおせる」といった記事や広告があります。しかし、カントン包茎は自力でなおすことはできませんし、むしろ危険です。柄を握ると先端が開く、ニッパーのような形の器具で狭い包皮輪を強制的に拡げて改善を図るものがありますが、痛みを伴いますし、効果にも疑問があります。無理をして包皮や亀頭を傷つけてしまい、感染症などを引き起こすリスクもあります。

カントン包茎とは、無理に剥いたけれど包皮が戻らずに陰茎を締め付けて支障をきたす状態です。つまり、真性包茎の状態で無理に剥いたのか、あるいは重度の仮性包茎の状態で無理に剥いたのか、包皮が剥いたまま戻らなくなった状態を指す言葉です。
自力で治療をした挙げ句、うっ血などの危険な状態になることも十分考えられますので、カントン包茎の状態にならないように、自力での治療はするべきではありません。

カントン包茎をなおすには、基本的に包皮の切開しかありません当然、医師による治療でしかなおせません



手術を決めた場合の手術方法

背面切開

カントン包茎になってうっ血などを伴う重度の場合には、緊急手術が必要です。
これには背面切開という方法が取られることがあります。締め付けている包皮を切開して包皮輪を拡げ、とりあえず仮性包茎状態にする手術です。包皮の切除は行いません。
麻酔をおこなった上で、15〜20分程度の時間で終わります。

亀頭直下埋没法

背面切開では包茎の根本的な解決にはなりません。そこで、緊急を要しないケースや、先進治療を旨とする美容外科などでは、仮性包茎や真性包茎の場合と同じ亀頭直下埋没法を行うことが多いようです。この術式ではいったん仮性包茎状態にすることもなく、また縫合が亀頭のカリ首の陰にできるために手術跡が目立ちにくいというメリットがあります。

亀頭環状溝直下の皮膚を切除します。皮膚を切除して離れた場所の皮膚同士を縫合しますから、色の違いが出ることがあります。これを「ツートーン」と呼ぶこともあるようです。カリ首の陰に傷跡ができるため、術後に縫合跡が目立たない、包皮の色がツートーンになりにくい利点があります。

仮性包茎の手術では根部環状切除法という、陰茎の根元部分の包皮を切除して縫合する方法があります。この方法は亀頭周囲をそのまま活かすため、見た目も目立ちにくく、また主要性感帯を残せるというメリットがあります。しかし、カントン包茎については、亀頭周辺の包皮に問題があるためこの方法での施術はできません。

仕上がりが不自然にならない?

カントン包茎の緊急手術で背面切開を行ったケースでは、包皮が襟巻きのように残って見栄えがよくありません。
カントン包茎に限らず、包茎の手術をしたことはなるべく知られたくないというのが男心でしょう。そして剥けた状態で温泉などの衆目のなかやパートナーとのセックスの最中に、自然に振る舞いたいというのが、そんな男心のささやかな願いだと思います。なので、不自然な仕上がりによって包茎手術を疑われるようなことは極力避けたい。
そんな気持ちを医師も十分に了解していますので、縫合跡が目立たないように亀頭直下埋没法など、極力手術痕が目立たない施術が発達してきました。緊急で受けた背面切開術の修正手術もあります。

ペニスの形状や術後の生活様式は人それぞれです。患者さん各人のQOLを十分に考慮したデザインが重要です。もちろん、勃起時に包皮が引っ張られて痛んだり、痛みから勃起不全や射精障害に陥ったりするなど、機能面での支障も避けなければなりません。
そのためにさまざまな施術方法や技術が開発されていますので、医師と相談の上、最適の方法を採用すれば、仕上がりが不自然なまま過ごすことはないでしょう

感度が落ちることはない?

カントン包茎になった段階、つまり、剥いた包皮が戻らなくなった状態ですでに勃起不全や射精障害などの機能不全を起こしているかもしれません。手術によって、その原因は解消しますから感度の心配はないと考えていいといえます。
亀頭直下埋没法のケースでは、リッジドバンドと呼ばれる包皮内板(剥いた時に薄いピンク色に見える亀頭に続く部分)や包皮小体(俗に裏筋と呼ばれる部分)などの性感帯も切除しなければならないケースもあります。できる限り性感帯を残すことで、感度が落ちないよう施術する方法が考案されていて、今では一般的な包茎手術で感度に影響が出ることはないといわれています
ただ、仮性包茎よりは難易度が高い施術になることが予想されますので、医師の話をよく聞いて、納得してから手術を受けるようにしてください。

仮性包茎の場合には、切らない手術で感度を守る方法もあります。ノンカット法という、美容整形で二重まぶたをつくるように、包皮をまつって剥けた状態にする方法や、ヒアルロン酸などを注射する亀頭増大術、長茎術などです。しかし、どれもカントン包茎には使えません。
カントン包茎では、切らない手術を選択することはできないと考えていいでしょう。



手術費用

カントン包茎は生活に支障をきたしている場合には健康保険が適用されます。自己負担額は初診料や薬代などを含めて30,000〜50,000円程度です。
この場合、昔ながらの背面切開術という、術後傷跡が目立つことが前提の施術が行われることもありますので、医師の説明をよく聞いてから手術に臨んでください。

ただ、カントン包茎には健康保険が必ず適用されるというわけではなく、むしろ多くの美容外科では適用されません。それは日常生活で支障がないという範囲を超えて、美容整形的範囲にまで踏み込んだ治療が行われるためです。

多くの美容外科では、カントン包茎の手術に背面切開は用いられず、亀頭直下埋没法が採用されています。多くのクリニックで仮性包茎が100,000円前後なのに対して、カントン包茎は170,000円〜200,000円程度になるようです。

包茎手術に関しては、包茎の治療とともに、患者さんの希望で早漏治療、亀頭増大、長茎などのオプションの施術を合わせて行うケースがあります。包茎の悩みは包茎だけに留まらないからです。コンプレックスをなくしたい、鬱屈した気持ちを晴らしたいという切なる希望です。
一度の手術ですみますから、分けて施術するよりはダウンタイム(日常生活に戻れるまでの期間)も短くてすみます。
料金については、受診する病院、クリニックで詳しく尋ね、オプションについても明確に決めて納得してから施術を受けるようにしてください。

手術の流れ

背面切開

  1. 1. 麻酔を行います。陰茎の根元や亀頭にも麻酔をします。
  2. 2. 陰茎をきつく圧迫している包皮に縦に包皮輪まで切れ目を入れます。
  3. 3. 亀頭が露出するように包皮をズリ下げると、包皮に菱形の孔が空いたようになっています。
  4. 4. 締め付けがゆるんだことを確認し、菱形の孔の上下を縫して終了です。


切開創は縦に入れますので、本来の縫合は左右を合わせるのですが、包皮輪を広がったままにするため、あえて上下に縫合するようにします。

手術時間は15分程度です。包皮を切除しないので、ダウンタイムは短くてすみます。

亀頭直下埋没法

術前にペニスの状態を確認し締め付けの原因となっている部分を見極めます。包皮の中で伸縮性に劣る部分を確認して、その部分をメインとして包皮の余剰を切り取る部分を決定します。

  1. 1. 麻酔を行います。
  2. 2. 亀頭直下で包皮の余剰部分を切り取ります。
  3. 3. 恥垢などが溜まっていればきれいに取り除きます。
  4. 4. 陰茎部分の皮膚を亀頭の環状溝部分で縫合します。
  5. 5. 患部をガーゼや包帯で保護します。


一般的な施術時間は20〜30分程度です。

縫合の糸を、抜糸が必要なものと必要のないものとからを選択できるクリニックもあります。通常は1、2週間後に抜糸のために通院することになりますが、自然に溶ける糸の場合、その必要はありません。

手術後の注意点

手術後の注意点としては一般的に以下のようなものが挙げられます。

  • 患部を濡らさない限り、手術当日からシャワーは可能です。
     4日後あたりからは患部を濡らすシャワーも可能です。
     入浴は抜糸がすんでから、ほぼ2週間後から可能です。
  • ・患部に衝撃などを与えない限り、通常に仕事や通常生活に従事することができます。
     患部に刺激を与えないようにスポーツなどは1週間程度は避けるようにしてください。
  • ・車の運転に制限はありませんが、胯間に影響が強い自転車やバイクの運転は1週間ほど控えましょう。
  •  最低1ヵ月はセックスや自慰を控える。


個別の注意時点については、受診したクリニックの医師の指示に従ってください。

手術する病院はどうやって決めればいい?

カントン包茎は、ときに緊急の手術を必要とするケースがあります。その際には一刻も早い処置が必要となりますので、近くの病院、クリニックに駆け込むことも止むを得ないでしょう。

緊急は要しないけれども、予防的処置としてカントン包茎の手術を受ける際には、他の包茎手術と同様に包茎に伴う患者さんの悩みもろとも解決してくれる病院を選びたいものです。

病気などとは違い、包茎は包茎であること自体の問題—たとえば亀頭のうっ血、射精障害、排尿時の飛び散り、病気になりやすい—などとともに、メンタルの問題—勃起不全、セックスに消極的になる、温泉などで自然に振る舞えない、ペニスの見た目にコンプレックスがある—などがついて回ることがほとんどです。
患者さんが包茎手術を決意して来院した時、きちんとカウンセリングして、包茎に伴う悩みを探り出し、包茎手術後にどのような人生を送りたいと思っているのかを理解し、それに最適の解決策を与えてくれる医師であることが望ましいことは言うまでもありません。

また、見た目にも納得がいく処置が求められる手術のため、医師の経験、技術が高いことが求められます。医師の技術などは受診前の患者側から的確に判断することは難しいと思います。それでも、病院、クリニックから発信されている情報を見比べてみてください。分かりやすい言葉で包茎手術の考え方、施術の方法、体験者の声などを紹介しているところを選んで受診してみましょう。

技術面もカウンセリング面も、いずれにしても最終的には直接医師に当たって相談してみるのがもっとも早道です。相談してみて、あなたが信頼できると感じられる病院を選んでください。

カントン包茎の手術は健康保険が適用されます。しかし、多くの美容外科では保険適用をしていません。したがって、保険適用されることが多い泌尿器科よりも治療費が高額になります。
その後の自分の人生を考えた場合に、金額を優先するのか、QOLを優先するのかは患者さんの考え方次第です。
あなたの考えをよく聞いてくれて、それを活かす提案をしてくれる病院を選んでください。



おわりに

カントン包茎の手術についてまとめました。
カントン包茎は重度の仮性包茎または真性包茎で、むりやり包皮を剥いたときに包皮が戻らなくなった状態です。包茎が治ったわけではなく、包皮による締め付けによってさまざまな障害が出ます。緊急に手術をしないと危険な場合もあります。そこまでではなくても、勃起不全や射精不全などでQOLに影響があるようであれば、予防的な治療を検討していいでしょう。まずは専門医に相談をしてみましょう。

この記事の監修ドクター

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すやま泌尿器科クリニック
陶山 健一 医師

福岡県大野城市白木原4-8-1

050-5283-7276

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