2017.05.12

化学眼外傷って?医師が教える症状・原因・治療方法について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

0120-280-964

http://www.ortho-k.jp/

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化学眼外傷とは、化学物質による眼の火傷です。日常生活では関係ない……ことはありません。洗剤や毛染め、パーマ液など、身近にも化学物質はたくさんあります。
今回は、専門医の監修の元、化学眼外傷の症状、原因、治療方法について説明します。


化学眼外傷とは

通常、火傷といえば炎や熱湯などの高温のものに触れたときにできますが、酸やアルカリなどの刺激が強い化学物質に触れることでも起こります。化学物質が皮膚に付くと皮膚が損傷を受けてただれ、火傷のようになります。これが眼に起こるのが化学眼外傷です。眼に化学物質が触れることで、眼に損傷を与えます。

ある程度の防御機能を持った皮膚でも大きな損傷を受けることがある化学物質が目に入ると、それだけで大きな損傷を受けることがあります。角膜や結膜の表面に炎症が起きたり、角膜が濁ったり、場合によっては角膜表面が剥がれてしまうこともあります。
さらに障害が大きな化学物質の場合には、目の中に浸透して失明に至ることもあります。

化学物質や薬品を取り扱う職場や学校の理科室、化学研究室など、化学物質が置かれている環境に身を置いている方は日頃からの注意が必要ですが、眼に入ると危険な化学物質は案外家庭の身近なところにたくさんあります。大人はもちろんですが、小さなお子さんの場合にはとくに注意が必要です。
たとえば洗剤や柔軟剤などに化学物質が含まれているものがあります。台所の漂白剤やトイレの洗剤などにも塩素系のものがあって、直接触れると皮膚が赤くなったり、ただれることがありますね。ほかにも、パーマ液や毛染め、マニキュアやリムーバー、接着剤などなど、たくさんあります。

目に入ったときに重大な障害が起こるリスクがあるものには、製品の注意書きに「皮膚についたときにはすぐに洗い流す」とか「目に入ると失明のおそれがあります。こすらず直ちに流水で15分以上洗い流し、必ず眼科医を受診してください」と書かれています。
これらの製品を使用する際には、顔、とくに目の回りを手で触ったり拭いたり擦ったりして目に入れないことに留意しましょう。

化学眼外傷の症状

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化学物質には様々なものがあります。それらの性質の違いによって、眼の損傷具合にも差が出てきます。
化学物質の触れた初期の段階では、涙が溢れてくる、充血するなどが起こります。角膜や結膜などの表面組織に炎症が起きているために、こうした症状が出ます。痛みを感じ、目を開けていられないこともしばしばです。化学物質の反応が強い場合には、角膜が白く濁ってしまって視力に影響が出てきます。また、角膜の表面が剥がれてしまうこともあります。

化学物質の性質によって、症状が大きく変わってきます。
危険なのはアルカリ性の物質です。アルカリ性の物質は浸透力が強く、目の表面に留まらないで眼の奥へと入っていきます。そのため障害が内部にも起こり組織を損傷します。視力低下の原因となり、最悪の場合、失明に至ることもあります。

一方、酸性の物質は表面に留まるため内部への浸透はありませんが、角膜に重大な損傷を与えることがあり、視力の低下などの原因となります。
中性の物質であっても、炎症を起こすものがあります。異物感や痛みを感じ、眼が赤くなったり、目を開けていられなくなったり、眼が腫れたりすることがあります。

損傷の程度は、化学物質の量と触れていた時間によって変わってきます。量が少なく、すぐに洗い流したような場合には、比較的軽傷で済み、治療することで後遺症を残さずに回復することがほとんどです。しかし、重症になった場合には、緑内障や白内障、ぶどう膜炎などの合併症を生じて、視力の著しい低下を招きます。ケースによっては、まぶたと眼球が癒着してしまうこともあります。


化学眼外傷の原因

化学物質が含まれる洗剤やパーマ液などが眼に入ることによって起こります。飛沫が飛んできたりして直接眼に入ることもありますが、これらの物質が含まれるものを触った手指で目を擦ったり拭ったりすることで、化学物質が眼に入ることも多いようです。

化学眼外傷の治療方法

化学物質よる化学眼外傷は、化学物質の量と、それに触れていた時間によって症状の程度が変わってきます。接触時間が長ければ長いほど、症状は悪化します。したがって、化学物質が眼に入ったときにまず行うことは、流水などで眼を洗浄することです。

指などで目を開けたままにして、少なくとも10分以上洗眼します。これは医療機関にかかる前に必ず行ってください。とにかく接触時間を減らすことが第一です。洗眼したら、必ず眼科を受診しましょう。

化学物質はその性質によって眼の表面に留まるものや、内部にまで浸透するものがあります。
種類によって、眼窩での対処方法も変わってきます。したがって、

・何が眼に入ったのか
・どのくらいの時間接触していたのか
・見え方に違和感がないか

などを、できるだけ正確に医師に伝えてください。
とくに大きな損傷を受けていない状態であれば、生理食塩水などで改めて洗眼し、通院治療によって後遺症などもなく回復します。
大きな損傷を受けている場合には、入院・手術によって治療に当たることもあります。

まとめ

日頃から化学薬品を取り扱う職場などでは取扱安全基準があると思いますので、それを遵守するようにしましょう。家庭内でも眼に入れると危険なものはたくさんあります。注意書きなどをよく読んで、使用方法を守ってください。そして万が一眼に入ってしまった場合には、まず10分以上洗眼します。その後に必ず眼科を受診してください。


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オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

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