2017.05.10

まぶたのしこり“霰粒腫”って?医師が教える症状・原因・治療方法について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

0120-280-964

http://www.ortho-k.jp/

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霰粒腫とは、まぶたにできた「しこり」「でき物」の一つです。
まぶたの「しこり」や「でき物」は一般に「ものもらい」「めばちこ」などといわれますが、これらには細菌感染で起こる麦粒腫と、細菌感染がない霰粒腫があります。

今回は、専門医の監修の元、霰粒腫の症状、原因、治療方法について説明します。


霰粒腫とは

まぶたにできる「でき物」の一つに麦粒腫があります。まぶたの縁などが赤く腫れて痛みます。
ものもらいと呼ばれるものです。これは、まぶたの裏にあるマイボーム腺や、まつげの根元にある汗腺が、ブドウ球菌などに感染して化膿するもので、赤く腫れて痛みます。

まぶたの裏側に何かグリグリとしたしこりができるのが霰粒腫です。
まぶたの裏にあるマイボーム腺が詰まって慢性的な炎症が起き、肉芽腫という少し硬いしこりができます。

霰粒腫は、通常、痛みは伴わず赤くなることもありません。
ただまぶたの裏にできるので、まばたきの度に異物感を感じ、不快です。

霰粒腫が急性炎症を起こすと強い痛みを感じます。炎症に伴って細菌感染を起こすこともあり、その場合にはまぶたが化膿して患部が広範囲に広がることがあります。

麦粒腫は細菌感染によって膿んで腫れますが、膿が出てしまえば治ることがほとんどです。一方、霰粒腫は薬などで抑えても繰り返し再発し、完治するには手術で摘出するしかない、やっかいな病気です。

霰粒腫の症状

通常の霰粒腫は細菌感染を伴わない無菌性のしこりで、とくに痛みはありません。まぶたの裏にしこりができるのでゴロゴロとした違和感がつきまといます。目が開けにくい場合もあります。

霰粒腫をそのままにしておくと自然に吸収されてなくなることもありますが、やや硬い肉芽腫となってしまうと吸収されず、しこりが残ったままになります。時にはこれが大きくなっていくこともあります。
しこりが破れて粥状の内容物が出てくることがあります。ただ、霰粒腫は内容物が出ても治ることがなく、再発を繰り返します。

炎症が起こった霰粒腫を急性霰粒腫といいます。麦粒腫と同じように赤く腫れて強い痛みを伴い、目やにや膿が出てくることがあります。

霰粒腫の原因

上下まぶたの裏側にあるマイボーム腺という脂分を分泌する腺の出口が塞がってしまうことで霰粒腫ができるといわれています。

マイボーム腺から分泌された脂分は涙に添加されます。涙は目の表面を潤して、目が動く際の潤滑油の役割と、目を守るバリアとしての役割を果たしています。こうした役割を果たす涙がすぐに蒸発しないように、涙の表層に脂層をつくっています。

マイボーム腺から分泌される脂分は通常液状をしていますが、これがグリース状になって出口が塞がってしまうことが、霰粒腫ができる原因といわれています。栄養状態が悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたりすることで、脂分の性状が変わります。


霰粒腫の治療方法

細菌感染による麦粒腫であれば抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏などを使用して適切な治療をすれば1、2週間で完治します。症状が重い場合でも小さく切開して膿を出して、抗菌薬で完治します。
霰粒腫は薬で治まったように見えて、何度も再発を繰り返すのでやっかいです。疲れが溜まったり、ストレスにさらされたりすると、何度も大きくなってきます。

炎症がなく症状も軽い霰粒腫の場合、抗生物質の点眼や、炎症を止めるためのステロイド剤の点眼や軟膏で対処することがあります。ただ、これは一時的に治まっている状態で、完治したわけではありません。
炎症を起こして強い痛みがある場合には、まず炎症を鎮める必要があります。
抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏に加えて、抗生剤、消炎鎮痛剤などを使って炎症が引くのを持ちます。
細菌感染して膿が溜まっているような場合には、少しだけ切開したり注射針を刺したりすることで膿を出します。
炎症が引いた状態で考えられる治療は2つです。
一つは手術によって摘出する方法、もう一つは温湿布などで保存的に治療する方法です。
霰粒腫の根本治療は手術による摘出です。大人の場合には手術を選択することが多いようですが、患者さんがお子さんの場合には、保存的治療で時間をかけて対処する選択もあります。担当医とよく相談して決めてください。

霰粒腫の手術

しこりがあるまぶたの裏側(眼瞼結膜側)から切開する方法と、表の皮膚側から切開する方法があります。
これまでは、傷跡が目立たないという理由で裏の結膜側から切開する方法が選択されていましたが、最近では皮膚側から切開する方法が主流となっています。それは裏側からではしこりの範囲を確実に把握できないため取り残しがでてしまい再発するリスクが高いこと、しこりが大きくなって破れて皮膚側に及んでいるケースでは皮膚ごと切除する必要があることなどの理由からです。傷跡という点でも、二重まぶたのラインやシワのラインなどの皮膚の流れに沿って切開することで、ほぼ傷跡が残らなくなっています。

麻酔をおこなった上で皮膚側から切開して、顕微鏡下でしこりをマークして範囲を確認します。しこりの内容物を摘出します。再発のリスクを低くするために、できるだけ被膜ごと摘出します。切開した皮膚を縫合して終了です。大きさにもよりますが、ほぼ15〜30分の施術です。術後3日以降1週間以内に抜糸します。
完全に摘出できれば、その部位からの再発はありません。

炎症が進んでしまい皮膚が壊死し、内容物が出てしまっているようなケースでは、切開部を選んでいられないこともあります。皮膚が薄くなっていてきれいに再建されないことがあるからです。こうした例ではできる範囲で摘出をし、仮に残ってしまった場合には、皮膚が正常に戻ったところで再手術をすることもあります。

まとめ

まぶたにできる「ものもらい」には麦粒腫と霰粒腫の2つがあります。
化膿して痛む麦粒腫よりも、通常は痛みがない霰粒腫のほうが治りにくくやっかいです。
繰り返し再発し、時には急性炎症を起こしてひどく痛みます。完治には手術しかありません。
まぶたにしこりを感じたら、できるだけ早く眼科を受診して適切な診断を受けてください。



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オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

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