2017.04.10

角膜ヘルペスって?医師が教える症状・原因・治療方法について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

0120-280-964

http://www.ortho-k.jp/

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皮膚に小さな水疱ができるヘルペス。これが角膜に出るのが角膜ヘルペスです。
ウイルスによって発症しますが、抗体ができても何度も繰り返して発症するのが特徴です。

今回は、専門医の監修の元、角膜ヘルペスの症状と原因、治療法についてご説明します。


角膜ヘルペスとは

ヘルペスというと、唇とその周辺がピリピリしだして赤く腫れ、やがて水ぶくれができる口唇ヘルペスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。これは単純ヘルペスウイルスが引き起こすウイルス感染症です。これと同じウイルスが角膜(黒目)に感染するのが角膜ヘルペスです。
広範囲に帯状に水疱ができる帯状疱疹もヘルペスウイルスが原因ですが、角膜ヘルペスとはウイルスが異なります。

感染とはいっても、体外からのウイルスに感染するのではなく、体内に潜んでいる単純ヘルペスウイルスが、疲労やストレスで体力が低下しているタイミングで増殖し、角膜に感染して発症します。

口唇ヘルペスや角膜ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、ほとんどの人が幼少期に感染しています。初感染時にほとんど症状が出ないケースもありますが、小さな水疱ができ、時には高熱を伴う場合もあります。

初感染後、私たちの体はこのウイルスに対して抗体をつくりますが、この単純ヘルペスウイルスは、その後ずっと人間の神経節(神経の根元)に棲みついて共生しています。神経細胞の中にDNAの状態で潜んでいるといわれています。

ふだんはとくに悪さをすることもなく潜伏していますが、風邪を引いたり疲労が蓄積したりして体力が落ちたときにだけ増殖し、ウイルスが神経内を伝わって体表面に出てきて炎症を起こして水疱などをつくります。神経細胞内を移動するため、免疫機能をかいくぐって何回も再発します。

角膜ヘルペスを発症する単純ヘルペスウイルスは、ふだんは三叉神経節に潜んでいます。三叉神経とは脳神経の一つで、目、上あご、下あごの3つに分岐していることから「三叉」と呼ばれています。この神経が角膜の知覚を司っており、この神経を通って角膜へウイルスが移動し炎症を起こします。

角膜ヘルペスの症状

角膜が炎症を起こすことで、目がゴロゴロする、充血する、涙が出る、視力が低下するなどの症状が出ます。
花粉症によるアレルギー性結膜炎と同じような症状ですが、角膜ヘルペスは片目にだけ出ることがほとんどで、両目であれば花粉症、片目であれば角膜ヘルペスの疑いがあります。

また、角膜ヘルペスでは角膜の知覚が低下するという特徴があります。
そのため、検査の段階で角膜表面をナイロン糸や綿花で触れて、それを感じることができるかどうかを確かめることがあります。
角膜ヘルペスには2つのタイプがあります。

上皮型

単純ヘルペスウイルスが角膜上皮で増殖して炎症を起こすものです。
特殊な染料で着色して外眼部をスリット光で検査する細隙灯顕微鏡検査をすると、このタイプは樹の枝のような形の炎症(樹枝状角膜炎)が見られます。
病変部をこすり取ってウイルスの存在を確認して診断を行いますが、検査で樹枝状角膜炎を確認することでほぼ診断できます。充血や異物感があり、痛みを伴うことがあります。視力の低下は軽度です。

実質型

角膜は外側から角膜上皮層、ボーマン膜、角膜実質層、デスメ膜、角膜内皮層という構造になっています。
このうち、角膜の中心部分となる角膜実質層でウイルスへの免疫反応が起こり、炎症が起こります。
角膜実質層が丸く腫れて濁ってくる円板状角膜炎の症状が出ます。濁りを伴うため視界がぼやけて、かなりの視力の低下が見られます。
濁りが取れずに視力が回復しない場合には、角膜移植が必要になることもあります。



角膜ヘルペスの原因

角膜ヘルペスのウイルスは三叉神経節に潜んでいて、体力が落ちたときに増殖して角膜に出てきます。
病気などの肉体的ストレスによる体調不良や発熱、気温の低下などが誘因となって増殖を始めます。
治療などで免疫抑制剤を使っている方も感染しやすいといわれています。

角膜ヘルペスの治療方法

上皮型の治療

上皮型の場合、ヘルペスウイルスの特効薬である抗ウイルス薬「アシクロビル」軟膏を使ってウイルスの増殖を抑えます。
角膜上皮が冒されていて外部からの細菌感染のおそれがあるため抗菌薬の点眼薬を併用します。

実質型の治療

抗ウイルス薬「アシクロビル」軟膏でウイルスの増殖を抑えます。
実質型の場合、免疫反応を抑制しないと角膜の濁りが取れませんので、副腎皮質ステロイド系の点眼薬を併用します。
ステロイド系の薬は使用法を間違えると、角膜の病変を悪化させてしまうことがありますので、医師の指示に従って正しく使用してください。

まとめ

角膜ヘルペスの発症を完全に抑える方法はありません。一度発症すると再発するリスクがありますので、免疫力が落ちないように規則正しい生活を送り、体力を整えておくことが最大の予防策です。
肉体的ストレスだけでなく、精神的ストレスを抱え込まないようにしましょう。

また、発症した際にはしっかりと治療しておくのも、再発防止のために重要です。
発症したら早めに眼科医を受診し、眼科医の指示に従って正しく薬を使用しましょう。



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オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

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