2017.02.14

医師が教える涙目の原因、治療方法について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

0120-280-964

http://www.ortho-k.jp/

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涙目

つねに目がうるうるしていてハンカチが手放せない涙目。
「風に当たっただけで涙目になる」とおっしゃる方もいて、視界はぼやけてしまうし、煩わしいものですね。
「年を取れば涙目は仕方がない」とおっしゃる方がいるほど高齢の方に多く見られる一方で、赤ちゃんにも見られ、目が開かないほど目ヤニが出ることで発見されることがあります。

涙目の原因は様々です。涙目が原因で感染症を起こしたりするリスクもありますので、涙目が続くようであれば眼科の受診をおすすめします。

今回は、専門医の監修の元、涙目の原因と治療方法について説明します。


涙目とは

涙目

涙は泣くときにだけ分泌しているわけではありません。
涙腺でつくられた涙は瞬きの間につねに目を潤しています。
分泌された涙の10%程度は目から蒸発し、残り90%は上下まぶたの内側にある涙点(るいてん)から涙小管という細い管を通って涙嚢(るいのう)にたまり、鼻涙管を通って鼻の方へ流れていきます。

涙目とは医学的には流涙(りゅうるい)症と呼ばれるもので、何らかの理由で分泌された涙が溜まってしまうもの、涙の分泌量が増えてしまうものです。その結果、涙が溢れて見えにくい、目ヤニが溜まりやすいといった不快な症状を呈すことがあります。ひどくなるとまぶたがただれたり(眼瞼炎)、目頭から膿が出たり(涙嚢炎)します。

涙目の原因には、涙の通り道がふさがってしまう、涙を溜める結膜がたるんでしまう、逆さまつ毛、白内障、アレルギーなど、さまざまなものが考えられます。

涙目の原因

涙目を引き起こす原因の代表的なものを挙げてみましょう。

鼻涙管閉塞症

涙点〜涙小管〜涙嚢〜鼻涙管を涙道(るいどう)といいます。
風邪や副鼻腔炎の炎症によって涙道が狭くなったり、鼻の手術の後遺症などでふさがってしまうことが原因で起こります。
とくに多いのが鼻涙管が詰まるケースで、鼻涙管閉塞症といいます。
鼻涙管が詰まってしまうことで回収されなかった涙が目に溢れてしまうのです。

涙嚢炎

涙道が詰まってしまい、涙嚢が細菌感染を起こしたものです。
目が充血して目ヤニがたまり、鼻のあたりが腫れて痛みます。悪化すると顔の半分が腫れたりします。目頭を押すと膿が出ることもあります。

結膜弛緩症

涙が溜まるべき結膜(白目)がたるんでうまく涙を溜めることができなくなっている状態です。
老化に伴って起こることも多いようです。

たるんだ結膜が涙点を塞いでしまって流涙症の原因となることがあります。また、ゆるんだ結膜がカーテンのドレープのような形で涙を溜めやすくなって、そこから絶えずこぼれ落ちるために涙目になることがあります。
一方で、涙が溜まりにくくなるために、つねに目が乾いた状態になったり、異物感を感じたりするケースもあります。

逆さまつ毛(眼瞼内反、睫毛乱生)

ゴロゴロとした異物感や目の充血など、逆さまつ毛はとても不快なものです。
まつ毛が角膜に触れることで異物が混入したと判断した身体が、涙を大量に分泌することで涙目になることがあります。

逆さまつ毛には眼瞼内反(がんけんないはん)、睫毛乱生(しょうもうらんせい)の2つの原因があります。
眼瞼内反は瞼の皮膚が内側にめくれてしまい、まつ毛が眼球に当たる状態です。
睫毛乱生はまつ毛が生える方向がバラバラで、内向きに生えるまつ毛が眼球に当たるものです。
まつ毛だけでなく、ゴミやほこりなどの異物が目に入ることによっても涙目になります。

白内障

白内障の初期症状の一つとして涙目になることがあります。白内障の多くは加齢に伴うものです。そして、初期の段階ではなかなか気づくことができません。高齢者で涙目があるようなら、ぜひとも眼科で検診を受けてみましょう。

アレルギー

アレルギー

端的な例は花粉症です。毎年、花粉の季節になると涙が止まらないというのは、アレルギー反応によって涙目が起こっているためです。花粉症は季節限定の症状ですが、花粉以外にもハウスダストなどによって一年中涙目の症状に悩まされることもあります。


涙目の治療方法

涙道内視鏡による手術

手術

涙道が詰まっているケースでは、径0.9mmの微細な内視鏡を涙管に入れ、閉塞部分を確認しながら詰まりを通す手術を行います。片眼でほぼ20分程度の施術で涙道が通るようになります。施術後は、再び閉塞しないように特殊なチューブを留置しておきます。手術の2、3日後に涙道洗浄を行い、1、2ヵ月後に留置したチューブを引き抜きます。術後、半日ほど眼帯が必要となります。

涙道の入口近くにある涙点の狭窄や涙小管の閉塞では9割近い成功率があります。しかし、鼻涙管の閉塞や膿が溜まって涙嚢炎になっている場合には、成功率が下がってきます。閉塞が長い年月にわたっている場合にも、成功率は50%程度に下がります。
また、涙道内視鏡手術ではチューブの抜去後に再発することもあります。
炎症などを繰り返して膿が溜まるような場合には、DCRを行います。

涙道内視鏡手術では、手術前の麻酔注射のために皮膚の下で出血し、1、2週間、目の周りに青あざができることがあります。これを防ぐことはできません。
また、麻酔の影響で数時間、ものがダブって見えることがあります。

詰まりがひどい場合には麻酔をしていても術中に痛みを感じる場合があります。詰まりが取れないときや痛みがひどいときには、途中でも手術を中止することがあります。

涙道内視鏡手術は健康保険の適用になります。3割負担で7,000円、1割負担で2,400円程度です。別途、留置用のチューブ代がかかりますので、手術費用の自己負担額は3割負担で1万5,000円、1割負担で5,000円程度となります(片眼)。

DCR

涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)という涙道バイパス手術です。これは鼻腔の骨に穴を開けて涙嚢から鼻腔へ涙の通り道をつくるものです。
顔面の皮膚を切開して行う鼻外法と、鼻腔内から内視鏡を使って行う鼻内法の2種類があります。鼻内法の方が患者さんの負担が軽いのですが、涙小管の閉塞が重度の場合や鼻中隔の湾曲が強い場合には鼻内法で施術できない場合があります。
涙点から医療用レーザー機器を入れて内視鏡で施術を行うレーザーDCRもあります。出血も少なく、術後の負担も軽いのが特徴です。

手術時間は鼻外法で1時間、鼻内法で30分、レーザーDCRで15分ほどです。いずれも入院の必要はありません。術後は眼帯が必要となります。

DCRは健康保険の適用になります。自己負担額は3割負担で7万円、1割負担で2万4,000円程度です(片眼)

結膜弛緩症の治療

たるんだ結膜を切除して縫合します。局所麻酔で行い、両眼でも10〜15分程度で終わります。眼帯の必要はありません。
術後には若干目が充血したり異物感を感じることがありますが、徐々に引いてきます。翌日、1週間後1ヶ月後などに経過を検診します。

保険適用の手術ですので、自己負担額は3割負担で9,000円程度、1割負担で3,000円程度です(片眼)。

逆さまつ毛(眼瞼内反)の治療

下まぶたを切開して、下眼瞼牽引筋腱膜を縫い合わせ、まつ毛を外側に向かせます。術後はしばらくまぶたが腫れたり、内出血が見られる場合がありますが、しばらくすると引いてきます。
手術時間は1、2時間程度かかります。効果は半永久的に持続します。

逆さまつ毛はまぶたの疾患として認められていますので、健康保険が適用されますが、ごくわずかしかない場合、数本を抜けば問題がなくなるような場合には、保険適用されないケースもあるようです。保険適用のケースでは、手術代や薬代を合わせて自己負担は1、2万円程度です。

眼瞼内反の手術は美容整形の二重形成術によく似たものなのですが、美容整形手術では保険適用外となります。保険の適用を受ける場合には眼科での施術が必要となります。


子どもの眼瞼内反について

逆さまつ毛は乳幼児に多く見られます。発達途中の乳幼児は顔に脂肪が多くふっくらとしているため、まぶたが内向きになっているケースも多いためです。
まつ毛が眼球に当たれば痛みますし、目ヤニがたまり、充血することもあります。ただ、乳幼児の場合は、眼瞼内反であってもまつ毛が細く柔らかいため重い症状にはなりにくく、成長して顔に筋肉が整ってくるとともに2歳ころまでに自然と治ってくることが多いものです。医師の指導の下、しばらくは様子を見るのがいいでしょう。

ただし、5歳を過ぎても改善が見られない場合には自然治癒の可能性がかなり低くなりますので、眼科医に治療・手術などの相談をしてください。

仮に乳幼児などで手術が必要となった場合には、子どもが動かないように全身麻酔での手術になることもあります。その分、リスクが増すことも、きちんと説明を受けてください。

逆さまつ毛(睫毛乱生)の治療

逆さまつ毛が数本であればピンセットなどで抜きます。ご自分で抜くのは大変危険です。目を傷つけたり、炎症を起こしたりするケースもありますので、必ず眼科で行ってください。

再発を防止したいのであれば、毛根ごと取り除く睫毛毛根切除術を行います。皮膚に麻酔注射をし、毛根ごと除きます。電気分解術よりも再発しにくい施術です。本数にもよりますが、おおむね15分程度で終わります。

まつ毛の電気分解術は、局部麻酔をした後、毛根に電極を当てて電気で焼き切るものです。本数にもよりますが、だいたい10分程度で終わります。ただ、1回では終わらず2、3回施術する必要があります。費用は、健康保険が適用になりますので、3割負担で2,000〜3,000円ほどです。

白内障による場合

白内障は初期段階ではなかなか気づくことができません。白内障は加齢とともに多くの方に起こる病気です。涙目がとまらないようなら、眼科を受診してみましょう。白内障はすぐに失明に至るものではありませんが、進んでしまうと手術以外に治療手段はありません。早めの受診をおすすめします。

アレルギーによるもの

花粉

これは部屋の中をできるだけ清潔にしておく、眼鏡などを使うなど、アレルギー対策を徹底するしか方法はありません。そして、目薬や洗眼薬で目を洗浄することが基本です。花粉などの場合、外出から帰ってくるとまつ毛に大量の花粉がついている場合もありますので、帰宅したらすぐに洗顔して洗い流します。目をこすったり、掻いたりすることでかえって症状が悪化してしまうことも多く、注意が必要です。

まとめ

涙目は、原因によって治療方法がまったく違います。まずは涙目の原因を特定することが先決です。
涙目は、簡単に改善できるケースもあれば、手術が必要となるケースもあります。涙目の不快な症状に悩んでいる方は、すぐに眼科を受診して、原因に応じた適切な処置を施してもらいましょう。


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オガタ眼科クリニック
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