2017.02.07

目やにが大量で止まらない?医師が教える原因と病気の可能性について

この記事の監修ドクター

監修ドクター
オガタ眼科クリニック
緒方 譲二 医師

福岡県福岡市中央区天神2丁目2-12T&Jビル3階

0120-280-964

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朝起きると目やにがついていることはよくありますね。
顔を洗えば自然と落ちてしまいますし、耳垢、鼻くそと同じようなもので、とくに気にするものでもないですよね。
でも、目が開かないほどびっしりついてしまう場合や、粘ついた目ヤニが出る場合には、体調不良や疾患が原因かもしれません。

今回は、専門医の監修の元、目やにの原因と病気の可能性について説明します。


目やにが出る原因

目やにとは?

目やには、目の老廃物が目の縁に溜まるものです。目くそ、目垢などとも呼ばれますが、医学用語では「眼脂」といいます。
目やにのおもな成分は、角膜上皮や結膜から分泌されるムチンの粘液に、涙の成分や血液細胞、まぶたの老廃物、外から入ってきたホコリやゴミなどが混ざったものです。

目を清潔に保つために涙がつねに目を潤して、ホコリやゴミ、乾きなどから目を守っています。
涙はまぶたにある涙点という小さな穴から回収されて鼻涙管を通って鼻、喉へと流れていくのですが、このとき、老廃物も一緒に流していきます。就寝中など、まばたきがなく涙の流れが滞っていると、それらの老廃物が目やにとして溜まってしまうのです。

目やにが溜まることは自然な代謝活動の結果ですので、目やにそのものはとくに心配するものではありません。

一方で、疲れ目や、花粉症などのアレルギー、異物などの侵入、コンタクトレンズなどによって目やにが増えることもあります。

目やにの色には注意が必要で、緑っぽいものや黄色の目やにが出る場合には結膜炎を疑う必要があります。
また、ねばねばとして糸状になった目やにの場合には、結膜炎による膿が混ざっている可能性もあります。

疲れ目、眼精疲労による目やに

涙の量の変化で目やにが出ることがあります。
目が疲れてくると涙の量が増え、その結果、目やにが増えるのです。
慢性的な疲れ目である眼精疲労の場合も同じです。

現代人のライフスタイルは、目を酷使せざるを得なくなっています。
とくにパソコンやスマートフォン、テレビなどの画面を凝視することが増えています。
画面を凝視するとまばたきが減ることが分かっていて、ドライアイの原因ともなっています。
涙はまばたきとともに眼球表面に広がるため、目の乾きを防ぐため、涙の量が増えることがあります。
長時間ハンドルを握り、視覚に集中することの多いドライバーの方なども、まばたきが減る傾向にあります。

また、エアコンなど生活環境による乾燥で目に疲れが溜まることもあります。
さらに、不規則な生活や偏った食生活、睡眠不足など、疲れ目の原因はたくさんあります。

花粉症やアレルギーによる目やに

多くの日本人が悩まされている花粉症で、目やにが多くなることがあります。
花粉によって目に炎症が起こり、花粉を排除しようとして過剰反応を起こして目やにが出るのです。
花粉と同じように、ダニの死骸やフン、ホコリなどのハウスダストのアレルギーでも同じ症状が出ます。

花粉症などアレルギーによる目やには、水っぽくさらさらとしたものであることが多いようです。


コンタクトレンズの影響

コンタクト

異物ということでは、コンタクトレンズが刺激となって涙の量が増え、目やにの原因となることがあります。
視力矯正のためのコンタクトレンズは使用をやめることはできませんが、正しい使用法を守ってできるだけ清潔を保つようにしましょう。汚れたコンタクトレンズは細菌やウイルスの侵入を促して、結膜炎などを引き起こすリスクが高くなります。
ファッション用のカラーコンタクトレンズなどは、目への負担も大きく、長時間の使用は避けたほうが賢明です。
また、違和感を感じたり、異常を感じたときには、すぐに眼科を受診しましょう。

また、アイメイクが落ちて目に入ることで炎症を引き起こすこともあります。
メイクを落とした後に黒い目やにが出るような場合には、きちんとメイクを落とし切れていないことが原因となっている場合があります。目やにが続くようならアイメイクを控えるようにしましょう。



目やにが多いと危険な理由

一方で、体調の不良によって目やにの量や色などが変わることもあります。身体の危険信号としての目やにには注意が必要です。

肝臓の機能低下が疑われる場合

腎臓

東洋医学では「目は肝に蓄えられた血の栄養により働く」といわれています。
肝臓の機能が低下すると、疲れ目などの症状が出るということです。肝臓は「沈黙の臓器」といわれるように、痛みなどの症状を感じにくい臓器ですが、目を見れば肝臓の調子の良し悪しが分かるといわれるほど、目と肝臓の関係は深いのです。
肝硬変や肝炎で黄疸(おうだん)症状が出ると白目の部分が黄色くなることはよく知られていますね。
黄疸は、肝臓以外にも、胆嚢炎、胆石などでも見られます。

肝機能が低下すると、疲れ目や目のかすみ、充血などが見られたり、ちょっとした風や寒さにさらされるだけで涙が出るなどの症状が現れ、目やにが増えたりします。視力低下やドライアイなどが現れることもあります。肝臓がうまく働かなくなって目への栄養供給が十分でなくなると、目がかすんだり、疲れやすくなったりするのです。

肝臓は全身の血流量をコントロールしています。つまり、目に症状が出るときには、身体全体にも肝機能低下の影響が及んでいるということです。イライラしたり、ゆううつ感を感じてやる気がなくなったりします。
また、めまい、耳鳴り、手足の震え、けいれんなどが起こることもあります。

目やにや目の不調だけでなく、こうした症状を伴う場合には、受診して肝機能についても検査してみることをおすすめします。目の疲れ、目やにが肝臓の危険信号なのかもしれません。

腎臓の機能低下が疑われる場合

栄養を運んでくる血液の不調が目に現れるということですが、そもそも血液をつくる機能に深く関わる腎臓の機能低下も目に症状が現れるといわれています。西洋医学の現場でも、内科などの問診時に裏まぶた(眼瞼結膜)の色を確認することがあると思います。これは貧血の有無を確認しています。赤味が薄く、青白っぽくなっているときには貧血が疑われます。
疲れ目、眼精疲労やそれに伴う目やになどですが、まぶたが日中も腫れぼったい、足腰の怠さがある、冷え、ほてりを伴う場合には、腎臓の機能低下を疑う必要もあります。

その他、まぶたに黄色い粒状の脂肪腫が出るような場合には、高コレステロール血症の疑いがあります。
目やにに交じって、こうした症状が見られる場合には、内臓に問題がないかどうか、調べてみる必要があります。

目やにと関係のある病気

目と内臓の関係について説明し、目の疲れ、眼精疲労など目やにの原因となる症状の大元に内臓疾患の疑いがあることを見てきました。
ここからは直接目やにと関係がある病気について説明していきましょう。

結膜炎

目が赤い

目そのものに疾患があるケースの代表が結膜炎です。
結膜は眼球とまぶたをつないでいる薄い膜です。普段見えている白目の部分が結膜ですが、まぶたの裏側にまで続いています。まぶたをめくって見える白い部分も結膜です。ここに炎症が起き、充血したりするのが結膜炎です。
結膜炎になると黄色や白の目やにが大量に出ます。

結膜炎には「アレルギー性結膜炎」、「細菌性結膜炎」、「ウイルス性結膜炎」の3つがあります。

アレルギー性結膜炎

異物が体内に入ったとき、これを排除するために免疫機能が働きます。
それが必要以上の過剰反応を起こして異物以外のものまで排除しようとするのがアレルギーです。

アレルギーの代表が花粉症です。さらにダニの死骸やフン、ペットの毛、フケ、カビなどのハウスダストも一般的なアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)となります。さらに、コンタクトレンズの汚れもアレルギー反応を引き起こします。特定の食べ物がアレルゲンとなることもあります。

アレルギー性結膜炎では、水状のさらさらとした目やにが出ます。その他、目のかゆみ、充血、ゴロゴロとした異物感、涙が出る、まぶたの裏にぶつぶつができるなど、様々な症状が見られます。

アレルギーは人それぞれの反応ですので、アレルギー性結膜炎が他人にうつることはありません。

アレルギー性結膜炎の治療

基本的には抗アレルギー点眼薬による薬物療法となります。重症になった場合には、ステロイドや免疫抑制薬を点眼する場合もあります。
花粉症など、発症時期があらかじめ予測できる場合には、症状が出る前から点眼治療を始めることで症状を緩和する方法も取られています。

アレルギー性結膜炎を予防するには、一般的な花粉対策、ハウスダスト対策を行うことが有効です。

•    外出時には眼鏡を着用し、マスクや帽子で花粉の付着を防ぐ
•    帰宅後には衣類についた花粉を払い落とす
•    手洗い、うがい、洗顔を励行する
•    蒲団を天日干しする。蒲団は花粉を払ってから取り込む
•    洗濯物は花粉を払ってから取り込む
•    掃除機をこまめにかける
•    ホコリが溜まりやすい場所は濡れぞうきんなどで拭き取る
•    畳や絨毯はダニの温床となるのでフローリングに替える

こうした対策を行いましょう。

細菌性結膜炎

細菌感染による結膜炎です。目の充血とともに、時には目が開けられないほどの目やにが出ます。目やには黄緑色でドロッとした膿状のものが見られます。
原因となる細菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。
おもな症状は、目やにが出る、充血する、涙が出る、目がゴロゴロするなどです。

細菌性結膜炎の治療

細菌性の結膜炎については抗生物質の点眼薬があり、比較的短期間(1、2週間)で完治することができます。抗菌眼軟膏や抗菌内服薬を併用する場合もあります。ただし、淋菌による結膜炎は角膜などに影響を及ぼしやすく、視力低下の原因となることがあります。

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎の場合、白くねばねばした、糸を引いたような目やにが見られます。細菌性結膜炎と同じように、目やにが出る、充血する、涙が出る、目がゴロゴロするなどの症状が出ます。プール熱(咽頭結膜熱)などの場合には、発熱やのどの痛みを伴います。
また、耳前にあるリンパ節が腫れて触れると痛みを感じます。免疫機能が働いている証拠で、ウイルス性結膜炎の特徴の一つです。
前述のプール熱のほか、「はやり目」と呼ばれる流行性角結膜炎などがあります。

ウイルス性結膜炎の治療

ウイルス性の結膜炎のほとんどはアデノウイルスの感染が原因です。アデノウイルスに効果的な薬はありません。治療の主体は不快な症状を和らげるものとなります。炎症を鎮めるためにステロイド系、非ステロイド系の薬を点眼します。角膜への感染を防ぐために抗菌点眼薬を使う場合もあります。
だいたい3週間〜1ヵ月程度でウイルスに対する抵抗力がついてきて、次第に症状は治まってきます。

その他の結膜炎

急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど、比較的新しいウイルスによって発症します。結膜下出血で白目が真っ赤に染まりますが、1週間ほどで治ります。
クラミジア結膜炎はクラミジアトラコマティスによる感染症で、以前は「トラコーマ」と呼ばれ失明する感染症の一つでしたが、衛生環境の向上で激減しています。

結膜炎は合併症に注意

結膜炎の治療が進んで治りかけたときに、角膜(黒目)の表面に点状の濁りが出ることがあります。ここで治療をやめてしまうと、この濁りが角膜に広がって視力の低下を招くことがあります。結膜炎の治療は、眼科医が「もう大丈夫でしょう」というまで続けるようにしてください。

また、ウイルス性の結膜炎については、他人に感染させないことも重要です。アデノウイルスは感染力が強いため、タオルを共有しない、お風呂は最後に入るなどで家族への感染を防ぐほか、職場での感染を防ぐ対応も必要です。お子さんの場合には眼科医の指示で登校を控えることも必要です。


角膜炎

黒目の部分、角膜に炎症が起こるものです。細菌(細菌性)やカビ(真菌性)の感染が原因です。
角膜は通常涙に潤されているため、異物から守られているのですが、目やにやゴミを拭いた際に角膜を傷つけてしまったり、汚れたコンタクトレンズの使用によって傷がついてしまった場合など、そこから細菌などが侵入して感染してしまうことがあります。

角膜炎では、目の痛み、ゴロゴロとした違和感、目の充血、涙が出る、まぶたが腫れる、黒目が白くなるなどの症状が出ます。両眼ではなく片眼に出るのが普通です。角膜炎が進んでしまうと角膜内部にまで潰瘍が進み、黒目が濁って視力の低下を招くことがあります。

角膜炎の治療

細菌性角膜炎では、細菌の種類に応じた抗菌薬の点眼、抗菌内服薬の服用などが行われます。症状によって完治まで数ヵ月程度かかる場合があります。
真菌性角膜炎では、抗真菌薬の点眼、内服が基本です。完治まで、最低1ヵ月以上はかかります。

その他の角膜炎

近年、コンタクトレンズ使用者を中心に、アメーバによる角膜炎が激増しています(アカントアメーバ角膜炎)。
アメーバは通常沼や池などの淡水に棲む微生物です。実は水道水の中にもアメーバが見つかっていて、水道水からコンタクトレンズにアメーバが付着し、それを装着したことで感染します。目に激しい痛みを感じるのが特徴です。

さらに、ヘルペスウイルスによる角膜ヘルペスがあります。
これは眼球表面からウイルスが侵入するのではなく、知らない間に感染したウイルスが角膜を司る三叉神経節細胞などにずっと潜んでいて、あるきっかけから角膜炎を引き起こすものです。ストレスや発熱などの体調不良、紫外線被爆、気温の低下などが引き金となってウイルスの活動が再開されるといわれています。

アカントアメーバ角膜炎の場合、病巣である濁った角膜を削り取ったり、抗真菌薬の点眼や点滴が治療の基本となります。なにより、コンタクトレンズの正しい使用・ケア法を守ることが大事です。
角膜ヘルペスは抗ウイルス眼軟膏によって1、2週間で治りますが、再発を繰り返す例が多く見られます。

ドライアイ

ドライアイは、涙の量が減ったり、涙の成分が変化してしまって目を十分に潤せず、目の表面が傷ついてしまう病気です。ドライアイでは老廃物を洗い流す涙の力が弱いため、目やにが溜まりやすくなります。
疲れ目の原因でも説明しましたが、パソコンやスマートフォン、テレビなどの画面を凝視することや、エアコンによる乾燥した室内環境、コンタクトレンズの装着など、目の乾燥につながるライフスタイルが広がっていて、ドライアイの原因ともなっています。
ドライアイは目の表面に傷がつくことが問題で、ここから細菌などが侵入しやすく、結膜炎や角膜炎につながるリスクが高くなります。

風邪

風邪

風邪を引いて鼻水が出るような場合、本来涙を鼻に流すための鼻涙管から鼻水が逆流して、目やにとなる場合があります。
また、風邪の細菌やウイルスが目から感染することで目やにが出ることもあります。いずれも大元の原因は風邪ですので、風邪の症状が治まるとともに、目やにも治まってきます。

先天性鼻涙管閉塞

新生児のおよそ1割に見られる症状で、鼻涙管が未開通の状態です。片眼だけに起こる確率が9割と高く、赤ちゃんの片眼にだけ目やにが溜まる場合には、鼻涙管の閉塞を疑ったほうがいいでしょう。
未開通の鼻涙管は成長とともに自然と開通していきます。ただ閉塞している間に細菌などが繁殖して炎症を起こすリスクもあります。赤ちゃんの片眼に目やにが溜まるような場合には、医師に相談してみましょう。

目やにの対処方法

細菌やウイルスが原因の目やには、侵入した細菌やウイルス、体内の白血球などが含まれています。
感染を拡げないためにも、手指でこするようなことはせず、清潔なティッシュやガーゼ、綿棒などを使って拭き取ります。
目やにが固まっている場合には、ティッシュやタオルなどを少し濡らして使用します。

また、目やにの症状が続くようなら、眼科を受診して原因を特定し、適切な治療を受けてください。

まとめ

ここまで、目やにの原因と、目やにが出ることで疑われる病気について説明してきました。
目やには生理現象の一つです。目やにがまったくないという人もいないでしょう。しかし、目やにの量が増えたり、形状、色などが変わったりする裏には、目の病気だけでなく、内臓疾患のリスクが隠れていることがあります。
また、手指などで目やにをこすったり拭ったりすることで眼球を傷つけて、思わぬ疾患を招くこともあります。
目やにが気になる場合には、必ず医療機関を受診して原因を特定し、適切な処置を受けてください。


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