乳がん検査について
マンモグラフィとは

乳がん診断の際に必須といっていいものが、マンモグラフィです。
マンモグラフィとは、乳房専用のX線検査(レントゲン検査)のことです。
病院・クリニックで診察を受け、触診の際に乳房にしこりやひきつれなど、初期症状と疑わしいものが発見されたときに行います。
現在、日本では厚生省が、2004年から40歳以上の方を対象に、視触診とマンモグラフィ併用による乳がん検診を2年に1回行うことを提言しています。
乳がんの現状

乳がんの罹患率は、この30年で劇的に増加しています。
30年前に比べると、約5倍以上も増加しております。
原因の一つして、挙げられるのが、食生活の欧米化です。
脂肪性タンパク質を多く含む食生活が乳がんの原因一つとして考えられています。また、乳がんは他のがんに比べて発症する年齢が比較的若いことも挙げられます。乳がんのピーク年齢は大体40代後半と言われております。国の規定では40歳からの検診となっていますが、気になることがあれば、30代のうちから検査を受けることをお勧めいたします。また、女性の方が発症することが圧倒的に多いですが、稀に男性でも乳がんになることがあります。
マンモグラフィ検査について

マンモグラフィを行うことで、腫瘍の大きさや形、初期症状である石灰化の有無を検査することができます。石灰化とは、乳腺の中のカルシウムが沈着した状態のことを言います。石灰化はほとんどの場合、良性のものですが、壊死したがん細胞が石灰化したものである可能性もあります。また視診・触診では発見できない小さながんも発見することができます。
検査方法
乳房を片方ずつ装置に挟みながら圧迫し、上下方向、左右方向から1枚ずつ撮ります。圧迫することで多少なりに痛みを伴うことがあります。乳房のほとんどは乳腺と脂肪からできており、そのまま撮影を行うと、乳腺や脂肪、血管と重なってしまい、腫瘍があったとしても映し出されない場合があります。均等に圧迫することで乳房の中を鮮明に映し出すことができ、また放射線の量も少なくすみます。検査時間はおおよそ15分前後です。
エコー(超音波)検査について
マンモグラフィと同様に、乳がんの診断時に多くの機会で行われるのがエコー検査で、超音波を利用し、腫瘤(しこり)が良性か悪性かを判断します。マンモグラフィは主に石灰化の発見に、エコー検査は腫瘤の発見に行います。また30代未満の若年層の方が検査を受ける場合もこのエコー検査が主流になります。若年層の乳房は、高年層に比べて、乳腺組織が多く、脂肪組織が少なくなっています。そのため、マンモグラフィよりもエコー検査の方が有効とされています。
乳がんの自己検診(セルフチェック)について
1.鏡の前で

- 両腕を下げ、自然な姿勢のままで乳房を観察します。
- 両腕を高く上げ、正面・側面から観察します。
- 乳頭を軽くつまみ、血のような分泌液が出ないかを調べます。
2.入浴時(せっけんを使うと調べやすくなります。)

- 乳房を丁寧に渦巻くように指でなぞりながら、しこりがないか調べます。
- 指先をそろえ、わきの下のリンパ節が腫れてないかを調べます。
3.あおむけの状態で

- 腕をあげ、乳房の内側にしこりがないか指で圧迫しながら調べます。
- 腕を自然な状態に下げ、乳房の外側にしこりがないか指で圧迫しながら調べます。
- わきの下にしこりがないか指をあてて調べます。
乳がん検査の流れ
1問診
一般の外来にて、問診・診察を行います。
2視診・触診
視診では、乳房の形や左右の大きさ、ひきつれ、陥没などを観察します。
触診では、乳房全体を触りながらしこりや乳汁分泌の有無を確認します。
3マンモグラフィ・エコー検査
状態に応じてそれぞれに必要な検査を行います。
4精密検査
初回の検査時の異常が発見された場合、精密検査を行います。
5検診・治療など
乳がんが発見された場合は治療に移ります。
検査を行った結果、異状がなかった場合でも、2年1度の検診は受けましょう。
治療費について
検査費用に関しては、やることが同じであっても、保険が適応される場合とされない場合があります。何か症状があり診察してもらう場合は保険診療、症状がなく個人的に検診を受ける場合は自費診療となります
治療法 | 保険適用 | 3割負担の場合 | 自費の場合 |
---|---|---|---|
マンモグラフィ検査 | △ | 1,500円前後 | 約5,000円前後 |
エコー検査 | △ | 1,000円前後 | 約3,500円前後 |