巻き爪について

巻き爪とは

巻き爪

巻き爪とは、足の指の爪に起こる疾患です。
爪の側面部分が内側に巻いてしまい皮膚に食い込んだ 状態のことです。
この状態でも痛みが生じ、痛くて靴を履けなかったり爪をきれないというお悩みも出てきます。

巻き爪の多くは、負担がかかりやすい親指に起こりますが、その他の指の爪や、手の指の爪にも症状は起こります。
症状が悪化すると、皮膚が炎症を起こしたり、化膿してしまう危険性もあります。また、巻き爪による痛みから、普段と異なる歩き方をして、足首や膝、腰などにも負担をかけてしまうケースもあります。

巻き爪は大体10人に1人の割合で発症していると言われております。

巻き爪の症状について

巻き爪の種類

巻き爪には主に3つの種類に大別されます。

陥入爪(かんにゅうそう) 弯曲爪(わんきょくそう) 爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)
爪の両端が皮膚に食い込んだ状態です。巻き爪の中でも一番多く見られるタイプです。 陥入爪の状態が悪化したものです。一般的に巻き爪と呼ばれるものはこれに当たります。 爪の外側部分が分厚くなり、角のように伸びた見た目が特徴です。年配の方に多く見られます。
巻き爪 巻き爪 巻き爪

画像引用元 http://eonet.jp/health/doctor/column09_1.html

巻き爪の原因について

靴による圧迫

サイズが合ってない靴や、ハイヒールや先のとがった靴は、足の爪や指を圧迫してしまうので気を付けましょう。

深爪

爪を切りすぎて深爪になった場合、爪の周りの肉が盛り上がることで、爪の形成を邪魔し、圧迫します。

足の怪我

足の指をぶつけたり、スポーツなどでけがや負荷をかけてしまうと炎症を起こすことがあります。そして肉が盛り上がり爪を圧迫し、巻き爪になります。

体質

爪の形状が薄くて柔らかい性質の方は巻き爪になりやすいと言われております。ご家族が巻き爪の方は注意が必要です。

巻き爪を防ぐためにも、上記のことには気を付けましょう。爪を切るときには深爪にならないようにすること、靴は甲をしっかり支えてくれる先のゆったりした靴を履き、爪を圧迫しないようにすることが大切です。また靴は緩すぎても、足が動いてしまうので、注意が必要です。

巻き爪の治療法

巻き爪の治療は基本的にすべて日帰りで行えます。しかし矯正の場合は完治するまで定期的に器具を交換する必要があります。

内容 日帰り
マチワイヤー(超弾性)矯正 爪に穴をあけて、超合金のワイヤーを通すだけの簡単な治療です。痛みもなく、治療も外来にて10分ほどで完了します。1年ほどかけて爪を矯正し、正常な形に戻します。重度の巻き爪でも対応が可能です。1ヶ月~1ヶ月半に1度ワイヤーを交換します。 可能
VHO式矯正
コレクティオ

矯正術の1種です。専用のワイヤーを爪の両端にひっかけ、これをさらにフックで巻き上げて固定します。VHO式もコレクティオも治療内容はほとんど同じです。こちらは爪に穴をあけずに治療が可能なので、患者様への負担も比較的少なくなります。1年ほどかけて矯正していき、2~3ヶ月に1度ワイヤーを交換します。

可能
B/Sスパンゲ

こちらも矯正術の1種です。グラスファイバー(ガラス繊維)製のプレートを爪の表面に装着します。このプレートが元に戻ろうとする力を用いて爪の矯正を行います。痛みもほとんどなく、半透明なので、ネイルカラーも可能です。大体月に1度プレートを取り替えます。治療期間は1年前後かかります。

可能
フェノール法 フェノールという薬を用いた手術です。主に症状が重いときに行います。巻いている爪の端部分を爪の根(爪母)まで切除します。そして爪母にフェノールを塗り、再生能力を止めてしまう治療です。再発することもほとんどありません。手術とは言っても10分ほどで完了します。 可能
爪母(そうぼ)切除術 その名の通り、爪母ごと切除してしまい、爪を2度と再生させない手術です。「部分切除」と「全切除」があります。重度の巻き爪症状に対して行われます。爪を切除した場合、爪の幅が狭くなったり、爪が全くない状態になります。また術後2週間ほどで症状は回復します。 可能
コットンパッキング 爪の両端の下に、綿を詰めて痛みを緩和する方法です。症状が軽度のもののみに有効で、治療というよりは応急処置に近いものになります。 可能
テーピング 食い込んだ部分からテーピングをらせん状にまき、皮膚と爪を離します。こちらも軽度の症状に対して有効な保存的療法の1種で、テーピングがあれば自分でもおこなうことができます。 可能

治療・手術の流れ

1外来

問診・診察を行い、巻き爪の状態を確認します。

2治療法の説明

状態に応じて、治療方法の説明を行います。

3治療・手術

治療・手術ともにその日のうちに受けられます。手術の場合は診察日と別になる場合もあります。

4帰宅

手術に関しても基本的に日帰りで行えます。

5再診

手術後の経過を診ます。また矯正の場合は定期的にワイヤーを交換します。

6治療完了

矯正の場合は役半年~1年ほどで治療が完了します。

治療費について

巻き爪の治療に関しては保険適応のものと適応外のものがあります。
こちらはあくまでも、治療費の目安になります。特に自費診療は医院によって異なるので、詳しく知りたい方は医院にご相談ください。

保険診療

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 入院する場合(3割負担)
フェノール法 5,000~8,000円
爪母切除術 15,000~2万円

自費診療

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 交換費用(再診)(3割負担)
マチワイヤー矯正 × 処置 約1万円 3,000~6,000円
コレクティア × 処置 約1万円 4,000~8,000円
VHO式 × 処置 約15,000円 5,000~8,000円
B/S スパンゲ × 処置 5,000~7,000円 約5,000円

医療費控除

巻き爪の治療は医療費控除の対象になるものもあります。
年間で本人、もしくはご家族の医療費が10万円を超える場合は還付が受けられます。

任意保険の手術給付金について

保険会社により詳細は異なりますので、一度ご確認・ご相談したうえで、必要書類を持参してください