腱鞘炎・ばね指について

腱鞘炎とは?

腱鞘炎

筋肉には、腱と呼ばれる結合組織があり、筋肉の力を手足の先端に伝える役割を果たします。
この腱は、腱鞘と呼ばれるトンネル状の組織の中を通っているのですが、この腱と腱鞘の間で炎症を起こしてしまった状態が腱鞘炎です。正確には狭窄性(きょうさくせい)腱鞘炎と言います。
特にこの腱鞘炎で代表的なものにばね指ド・ケルバン病があります。

腱鞘炎は、中高年の女性がなりやすいと言われておりますが、妊娠・出産時を機に発症することもあります。また近年ではスマートフォンの普及が著しいですが、このスマホの使い過ぎで腱鞘炎を誘発してしまうこともあります。

腱鞘炎の症状について

腱鞘炎の症状

腱鞘炎の症状は大きく6段階に分類されます。

  • レベル1
    筋肉にこり、だるさ、痛みのような違和感があったり、筋肉が動かしにくいような状態です。
  • レベル2
    手足の使用時に筋肉が痛みます。瞬間的な痛みが出る状態です。
  • レベル3
    瞬間的な痛みから、使用後もずきずきと痛みが続く状態です。また患部が熱を帯びたような状態です。
  • レベル4
    シャツのボタンをかけたり、包丁で野菜を切っているときに痛みが出てくるなど、日常生活でも、特定の行動において支障がでてくる状態です。
  • レベル5
    あらゆる行動において痛みが生じ、日常生活にも支障が出てきます。お箸を持つことさえもままならない状態です。
  • レベル6
    何もしていなくても常に痛みがある状態です。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎の主な原因は、手足を使いすぎることで腱や腱鞘に負担をかけてしまいます。職業柄常にデスクワークやパソコンを使っていたり、もしくは作家や芸術家のようにペンや筆を使うことが多かったり、主婦であれば家事で手を使っていたりすると、腱鞘炎になりやすくなります。また、更年期の女性や妊娠・出産期の女性もかかりやすいと言われております。その他にも、ストレスにより自律神経が乱れ、それによりホルモンバランスが崩れ、血行が悪くなり、腱鞘炎になりやすい体質になってしまうこともあります。時折作業を中断し、筋肉を休ませて、腱鞘炎にならないように注意しましょう。

腱鞘炎の種類

ばね指

ばね指

腱鞘炎における代表的な症状の1つです。曲げた指を無理に伸ばそうとしたときに、バネが伸びるような動きをすることからばね指と言います。朝起きた時に、指が伸ばせなかったり、痛みがあるということが多いです。


ド・ケルバン病

ド・ケルバン病

こちらも代表的な腱鞘炎の症状です。親指(母指)側にある腱鞘とそこを通っている腱に炎症が起きた状態です。親指を広げたり、動かしたりすると、親指側の手首に痛みがおこります。

腱鞘炎の治療法

腱鞘炎の場合、保存的治療をとることが多いですが、何度も繰り返し腱鞘炎を発症してしまう場合、慢性化している場合は手術も治療法に挙げられます。手術も入院は必要とせず、日帰りで行えます。

手法 内容 日帰り
投薬療法 鎮痛剤の服用の他に湿布薬があります。市販されているものは効果が弱いものが多いので、相談したうえで処方してもらいましょう。 可能
固定法 テーピングを使って、指や手足などの患部を固定する方法です。腱鞘炎がひどくならないようにするため安静にさせます。固定用のサポーターもあります。 可能
温熱治療 痛む部分に超音波やレーザーを当てることで、痛みを和らげます。患部を温めることで、血行を良くし、緊張をほぐします。痛みを伴うこともありません。 可能
ステロイド注射 腱鞘炎の痛みが激しいときに行う治療です。直接患部に薬剤を注入し、痛みを劇的に抑えます。しかし、この治療には免疫不全や糖尿病など様々な副作用が伴いますので、受ける際はよく医師と相談しましょう。 可能
腱鞘切開術 局所麻酔を行い、皮膚を切開し、皮下の腱鞘を切除し、腱を解放する手術です。これにより確実に腱鞘炎を治療することができます。手術時間も15分ほどで終わり、入院も必要ありませんが、リハビリは必要です。 可能
内視鏡手術 局所麻酔を行い、皮膚を3mmほど切開し、そこから内視鏡の管を挿入します。発症部分を見つけ、管を通しメスで腱鞘を切除します。切開する箇所も小さな傷ですむので、術後の縫合も必要としません。こちらも短時間で終わり、その日のうちに帰ることができますが、やはりリハビリは必要です。 可能

治療の流れ

1外来

問診・診察を行い、症状を確認します。

2検査

基本的には視診、触診ですが、X線や超音波を使うこともあります。

3治療方針の決定

保存的療法か、手術をするか決めていきます。

4治療・手術

治療の場合は定期的に通う必要があります。手術は大体10~20分で終わります。

5再診・リハビリ

手術後の経過を観察し、消毒やリハビリを行います。

6治療完了

保存的療法の場合、腱鞘炎はおおよそ2~3週間ほどで改善されることが多いです。

治療費について

腱鞘炎の治療に関しては基本的に保険が適応されます。
こちらはあくまでも、治療費の目安になりますので、詳しく知りたい方は医院にご相談ください。

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 入院する場合(3割負担)
腱鞘切開術 8,000円前後
内視鏡手術 8,000円前後

医療費控除

腱鞘炎の治療は医療費控除の対象になるものもあります。
年間で本人、もしくはご家族の医療費が10万円を超える場合は還付が受けられます。

任意保険の手術給付金について

保険会社により詳細は異なりますので、手術を受ける際は事前にご確認することをお勧めします。