外反母趾について

外反母趾とは?

外反母趾

母趾とは母指のことを指し、つまり親指です。この親指が、人差指側にくの字のように曲がってしまい、親指の付け根部分が出っ張った状態を外反母趾といいます。

外反母趾の状態になると、痛みが生じ、靴を履くことが困難な状態にもなりえます。また外反母趾により、身体へ様々な症状を引き起こす可能性もあります。

外反母趾は女性にみられることが多く、現在3人に1人の割合で外反母趾を発症しているともいわれております。また大人だけでなく、近年では子供にも多い症状なので、注意しましょう。

外反母趾の症状について

外反母趾の原因とは?

靴による圧迫

靴を履いたときに、足の親指が圧迫されて変形してしまうことです。特に先の細い靴や、ヒールのようにかかとの高い靴はより負担がかかるので注意が必要です。逆にゆるい靴を履いてしまうのも、足指への衝撃が強くなるため、外反母趾を招く要因になってしまいます。

歩き方

日頃の歩き方にも起因することがあり、足指を使わずに歩いてしまうぺたぺた歩きをしている方は、足の筋肉が衰えてしまい症状が悪化しやすいです。特にお子様の歩き方は注意してみてあげましょう。

運動不足

運動不足だと、足の筋力が低下してしまい、外反母趾になりやすくなります。また肥満にも注意が必要です。

遺伝的要因

一概に遺伝性があると認められていませんが、外反母趾にかかりやすい足の形には特徴があります。遺伝的原因に関してははっきりとはしておりません。

外反母趾の症状

外反母趾の症状は、足の親指付け根部分が飛び出し、タコでできてしまい、痛みが生じます。またこの部分が靴にすれて、腫れたり、痛くなります。症状が悪化すると、靴を履けないくらいにまでになり、さらには親指が人差指の上に乗っかったり、下にきてしますこともあります。また、骨盤のずれ、膝の痛み、肩こり、腰痛、めまい、頭痛、自律神経失調症、O脚など、様々な二次疾患の要因になりえます。

外反母趾の診断

足の親指の関節の角度で症状を診断します。

正常…15度未満
軽症…15~25度未満
中程度…25~40度未満
重症…40度以上

外反母趾

外反母趾の予防について

外反母趾は、自分でも予防、もしくは治療が可能です。いくつか例を紹介します。

方法  
ホーマン体操 両足の親指にゴムバンドをひっかけ、かかとをくっつけた状態で、足を扇形に開き、閉じる体操です。こうすることで、変形してしまった足の関節、筋肉や靭帯を柔軟にする効果が得られ、矯正がしやすくなります。1セット30回を1日2~3回行いましょう。
グーパー運動 文字通り足の指をグーパーと開く運動です。足の指を曲げ、大きく開くことを繰り返して行い、足の指の筋力を鍛えます。1セット10回を1日3回ほど実行すると良いでしょう。
テーピング テーピングにより、痛みを和らげ、矯正を行っていきます。親指の内側から外側に回しながら、足の甲側へ引っ張っていきます。こちらも広く行われていますが、巻き方さえ覚える必要があります。

外反母趾の治療について

保存的療法

内容 日帰り
足底版 保存的療法の1つです。インソールとして靴の中に入れて活用し足の形の矯正を行います。足の形は人それぞれ違うので、その人に合わせたオリジナルなもので作ります。 可能
装具 足の指で挟む矯正具や親指につけるバンドがあります。しかし、あまりに変形していた場合、矯正効果は得られないとされています。市販品もあります。 可能
靴選び 足に負担がかかりにくい余裕のある靴に変えることでも、症状が和らぐこともあります。またオーダーメイドの靴なども効果的です。  

手術療法

外反母趾の手術は100種類以上の術があると言われていますが、ここでは一般的に多く行われている手法を紹介します。

内容 日帰り
シェブロン法 軽症から中程度の場合に行う術法です。母趾中足骨の末梢部をV字型に切り取り、骨軸をずらす方法です。必要に応じて出っ張りを削ることがあります。術後は原則入院が必要です。 不可
マン法 重度の外反母趾に対して行う手術です。中足骨の根本を切り曲げ、軸をずらします。シェブロン法に比べて、切開も多くなります。こちらも必要に応じて、出っ張っている部分を削ることもあります。こちらも4~5日の入院が必要です。 不可
DLMO(デルモ)法 近年日帰り手術として増えてきている術法です。主に軽症から中程度の外反母趾に適応される術法です。第1中足骨頭を切開し、ずらした後、ワイヤーを入れて固定します。 可能

治療・手術の流れ

1外来

問診・診察を行い、症状を確認します。

2検査

視診、触診の他に、X線検査も行います。

3治療方針の決定

症状に合わせて、治療法を決めていきます。

4治療・手術

手術は大体1~2時間で終わります。

5退院・再診

術後4~5日は消毒を行います。2週間後くらいに抜糸を行います。退院までは約1~2週間ほどです。

6治療完了

完治まではおよそ3ヶ月かかります。

治療費について

外反母趾の治療に関しては基本的に保険が適応されます。
こちらはあくまでも、治療費の目安になりますので、詳しく知りたい方は医院にご相談ください。

治療法 保険適用 治療費(3割負担) 入院する場合(3割負担)
手術 10~20万円前後 20~30万円前後

両足の手術を行う場合は、大体10万円前後追加されます。

医療費控除

外反母趾の治療を受けた場合、年間で本人、もしくはご家族の医療費が10万円を超えるようであれば確定申告にて還付金が受けとれます。

任意保険の手術給付金について

保険会社により詳細は異なりますので、手術を受ける際は事前にご確認することをお勧めします。