日帰り手術対応可能な疾患

近年、医療技術の進歩もあり、従来では入院が必要であった手術による治療も、日帰りで行えるようになりました。ここでは日帰り手術が可能な疾患をご紹介いたします。

手掌多汗症

手掌多汗症とは文字通り手のひらに大量の汗をかく病気のことです。
他にも額や腋の下、足の裏に症状が見られることが多いです。はっきりとした原因は解明されていませんが、交感神経によりもたらされる疾患と言われています。

手掌多汗症の場合、塗薬やボトックス注射などいくつか治療法がありますが、即効性や根治性を考慮すると、手術が最も有効的な治療と言えます。
極細の内視鏡が開発されたことにより、傷痕も気にならない程に小さく済み、身体への負担も軽くなったため、日帰り手術が可能になりました。

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下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は足の静脈(血管)に起こる疾患のことです。
血管が浮き出たり、ぼこぼこ膨れたり、皮膚に変色が起こります。

症状を軽くさせ、進行を防ぐ治療もありますが、根治には手術が必要になります。
手術も従来は入院が必要で、全身麻酔や下半身麻酔を使って行われていました。しかし現在では局所麻酔でも手術が可能になり、また切開を行わないレーザー治療も発達したこともあり、日帰り手術を受ける患者様が増えてきました。

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鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニアとは一般的に脱腸として知られています。
鼠径部(太ももや足の付け根あたりのこと)の膜が破れ、お腹の中の腸が飛び出してしまっている状態です。

鼠径ヘルニアに関しては、手術以外の治療法がありません。手術による治療も従来は入院が必要でした。しかし技術の進歩により、大きな切開をすることなく手術が行うことができ、日帰りでの手術が対応になりました。
ただし、ヘルニアが肥大化しすぎてしまった方や、再発したヘルニアの場合は対応ができないこともありますので、まずは診察を受けてから判断しましょう。

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痔の疾患

痔とは肛門、およびお尻付近に生じた疾患の総称をいいます。
日本では成人の3人に1人が痔に悩まされているとも言われています。
痔にはいぼ痔、切れ痔、穴痔の3種類あります。

痔は、注射療法や薬物療法による治療もありますが、症状が悪化すると、手術が最も有効な治療となります。また穴痔に関しては手術以外に根治は不可能とされています。
肛門疾患の手術も従来は入院が必要でしたが、手術技法や薬の進歩により、出血や痛みを格段に抑えることが可能になりました。
痔の状態や数によっては日帰り手術が適応にならないケースもありますので、まずは1度検査を受けましょう。

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胃・大腸ポリープ

ポリープとは簡単に言うと「おでき」のようなものです。
胃や大腸以外にも、声帯にもできることもあります。
胃のポリープに関しては、経過観察で済むケースも多いですが、大腸ポリープに関しては癌の要因となりうるものが多いです。

ポリープに関しては、手術による切除が根本的治療につながります。悪性のポリープに関しては、癌化する恐れがありますので、早期の治療が望ましいと言えるでしょう。内視鏡の技術が上がったこともあり、大きな切開をする必要がなく手術が可能になりました。手術を受ける前に、ポリープが良性か悪性か判断する必要があるので、必ず検査を受けましょう。
ただし、内視鏡がポリープまで届かない場合やポリープが大きすぎる場合は入院が必要になるケースもあります。

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胆石症

胆石とは肝臓や胆のうなど、体の中で結石ができる病気のことです。
無症状の物から、疝痛(せんつう)と呼ばれる激痛を伴う場合もあります。
胆石は日本人の10人に1人が持っているとも言われています。

胆石症の治療には、薬を飲んで胆石を溶かす治療法や外から衝撃を与え胆石を砕く治療法などがありますが、手術による治療が確実に根治できる方法とされています。特に症状が痛みを感じるまで進行している場合は早めの治療を心がけましょう。
以前は、お腹に15~20cmほど切開する必要があり、傷痕が大きく残ってしまいました。こちらも内視鏡により、極めて小さい傷だけですむようになり、痛みも軽減できるようになりました。
しかし、胆のう炎を併発している場合や、過去に他消化器の手術を受けている場合は日帰り手術が適応できない可能性もあります。

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