鼻中隔湾曲症について
鼻中隔湾曲症とは

鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)とは、鼻を左右に分けている鼻中隔という壁が曲がってしまった状態です。
ただ、鼻中隔はほとんどの人が多少なりに曲がっていますので、少し曲がっているからといって鼻中隔湾曲症ではないかと心配する必要はありませんし、問題がなければ特に治療する必要もありません。
しかし、この曲がり具合が大きいと、鼻づまりや嗅覚障害などを
引き起こしてしまうこともあります。この場合は治療を受ける方が良いでしょう。風邪やアレルギー性鼻炎でもないのに、鼻が良く詰まるという方は、一度鼻中隔の状態を確認してもらうことをおすすめします。
鼻中隔湾曲症の症状について
鼻中隔湾曲症の原因について
なぜ鼻中隔が曲がるのか。まず鼻中隔は、鼻中隔軟骨(びちゅうかくなんこつ)、篩骨正中板(しこつせいちゅうばん)、鋤骨(じょこつ)の3つの骨から来ています
この鼻中隔は急に曲がるということはなく、成長するにつれて少しずつ曲がっていきます。
そのため、小さい頃は鼻中隔がまっすぐなことが多いです。顔の発育とともに鼻も成長します。特に骨の板より、軟骨の板の方が成長が盛んで、その違いにより湾曲が生じます。他にも打撲・骨折などによる外傷でも起こることもあります。
鼻中隔湾曲症の症状について
主な症状として挙げられるのは鼻づまりです。鼻中隔が左右どちらかに大きく曲がることで、片方の鼻がつまってしまいます。また鼻腔が狭まることで、鼻呼吸の刺激にも過敏になり、鼻血が出やすくなります。他にも、嗅覚障害や肩こり、頭痛が起こることもあります。また鼻がつまってしまうことで、通気性が悪くなり換気が不十分のため、菌が繁殖しやすく、炎症を起こし、副鼻腔炎の原因になる可能性もあります。
鼻中隔湾曲症の治療
鼻中隔湾曲症の治療は基本的に手術になります。
手法 | 内容 | 日帰り |
---|---|---|
鼻中隔矯正術 | 鼻中隔の軟骨を切除したり、骨を削る手術です。手術時間は1時間前後です。日帰り手術が可能ですが、入院を推奨する医院もあります。 | 可能 |
粘膜下下鼻甲介骨(ねんまくかかびこうかいこつ)切除術 | アレルギー性鼻炎を併発している場合、粘膜が大きくなっているため、同時にこの手術を行います。下鼻甲介骨という鼻の内部にある骨を切除し、鼻の通りを良くします。アレルギー性鼻炎のページでもご紹介しています。 | 可能 |
治療・手術の流れ
1初診
問診・診察を行います。
2検査
鼻鏡検査、CT検査、鼻腔通気度検査(鼻づまりの検査)等を行います。
3検査結果の説明・治療方針決定
検査結果をもとに今の症状の説明をします。その後手術の日程を調整します。
4手術
手術は日帰りで行えますが、医院によっては入院することもあります。また同時に粘膜下下鼻甲介骨切除術も行うこともあります。
5術後
2~3時間休憩をした後、手術の結果の説明を受け、それからの帰宅になります。
6再診
術後の経過を観察します。
治療費について
鼻中隔湾曲症の治療は保険の適応がされます。
治療法 | 保険適用 | 治療費(3割負担) | 入院する場合(3割負担) |
---|---|---|---|
鼻中隔矯正術 | ○ | 約2万円 | 約4万円 |
粘膜下下鼻甲介骨切除術 | ○ | 約8,000円 | 約3万円 |
※入院する場合は1泊2日での目安になります。入院日数により額は変わります。
医療費控除
鼻中隔湾曲症の手術を行った場合、1月から12月の1年間で、本人、及びご家族が支払った医療費の合計額が10万円以上であれば、確定申告をすることで還付金を受けとることができます。
任意保険の手術給付金について
任意の保険会社により詳細は異なりますので、手術を受ける際は事前に給付金が受け取れるか確認しましょう。